■5mを超えるフルサイズミニバン
今でこそアルファードやヴェルファイアのサイズは、「大きいけれど、それがまたよし」とされている。実際、現行型アルファードの5m近い全長や1.8mを超える全幅は、日本の道路で走っているとかなりの威圧感があるが、この大きさがゆとりや贅沢さにつながり、ラグジュアリーカーにとっての重要な要素にもなっている。
その点、ラグレイトのスリーサイズは、5105mm×1935mm×1740mmということで、見事に現在のアルファード超えている。北米ではミドルサイズとされているが、日本では完全にフルサイズミニバンだ。ラグジュアリーカーのひとつの要素は完全に満たされていた。
そんなラグレイトのデザインは、直線基調でスマート。ボディが大柄だとデザインも大味になってしまいがちだが、横長のヘッドライトやシャープなグリル、そしてボディサイドにビシッと通ったキャラクターラインなどで、全体的に引き締まった印象に見える。この後すぐ、同ジャンルではグリルの大型化競争が始まるが、それらとも無縁のオリジナリティ溢れるスタイリングだ。
インテリアデザインは木目調パネルや本革シート(グレード別)など、見た目はおとなしいが、質感にこだわった上質な雰囲気にまとめられている。初代オデッセイ譲りのコラムシフトのチープさは否めないが、これも今見れば愛嬌のひとつと感じられる。
そしてこの上質な内装には豪華な装備が奢られている。当時はまだ「ミニバンの2列目に豪華なシートを」という文化はなく、あるいはこのクルマが“ショーファードリブン”とは捉えられていなかったのか、運転席が8ウェイパワーシートになっている。その他にも、デュアルエアコン、シートヒーター(グレード別)、DVDナビゲーションシステム、6スピーカーなど、今でこそ当たり前でも、当時は新しい装備が多かった。
また、装備といえば、このクルマの目玉のひとつになっていたのが、両側電動スライドドアだ。これは当時のホンダのアナウンスによれば世界初搭載であり、挟み込み防止機能も付いていた。インパネのスイッチやキーレスリモコンでの開閉、ドアハンドルを引くだけで最後まで自動開閉することも、当時としては目新しかった。
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