この“エコ時代”でも……やっぱり「最強」「最速」は面白い!!! 2013年のスーパーカーの世界を回顧。ランボルギーニアヴェンタドールの試乗記から(当時の)最新スーパーカー事情まで解説!(本稿は「ベストカー」2013年3月26日号に掲載した記事の再録版となります)
TEXT/西川淳
■この“エコ時代”に最高速350km/hとか、340km/h……果ては385km/hまで! 脱力……
![ランボルギーニ アヴェンタドール LP700-4ロードスター(2012年11月本国発表、2012年12月14日日本発表/価格:4660万3200円〈日本〉)…6.3L V12 740ps/70.4kgm、0→100km/h=3.1秒、最高速度=340km/h](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2024/04/08235512/20130326_P042-045_a-600x341.jpg)
クーペより数段上なのか? エキセントリック&ドラマチックなカタチでも走りがよくなかったら……と思いつつ、マイアミのホームステッドレースウェイまでアヴェンタドールロードスターを試しにいった。
飛び石でノーズが真っ白になるくらい走りまくった結論から言うと、ダイナミックパフォーマンスはクーペに劣らず!
むしろ、足回りがクーペに比べてややソフトなチューンになっているぶん、プッシュロッド式でも微妙に上下動を感じることができるので、プロドライバーじゃないボクにでも車体の動きがわかりやすい。
ステアリングを切り込んでいったり、フルスロットルをかけてゆくタイミングが掴みやすい。
要するに、アクセル踏んでいられる時間が長い=楽しい。クーペよりも振り回した感を存分に味わえたのだ。
特に、カーボンルーフパネル(手動で取り外し)を付けたまま、リアウインドウだけを下げて走らせてみれば、V12サウンドがカーボンキャビンに盛大に響き渡って、気分がいい。
もちろん、クーペのほうがボディも断然硬いし、スパルタン。
けれども、そのぶん、上手に楽しく走らせることは難しい。「スーパーカーだから、ゆっくり走ったって気分がいいほうがいい」が持論。
さりとて、700psを誇るカーボンモノコックボディのミドシップマシンの片鱗も楽しめないっていうんじゃ、もどかしい。
ちょっと肩の力が抜けて、音よし/走りよし/乗り心地よしの、三拍子そろった新型ロードスターのほうが、御利益抜群と感じた次第。
さらに、実はライバルでもなんでもない(お互い迷惑?)のに、引き合いに出されがちなフェラーリが、最新フラッグシップのF12で空前のドライビングファンを実現してしまったものだからたまったもんじゃない。
![フェラーリ F12ベルリネッタ(2012年3月本国発表、2012年7月日本発表/価格:3590万円)6.5L V12 700ps/70.4kgm、0→100km/h=3.0秒、最高速度=350km/h](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2024/04/08235515/20130326_P042-045_b-600x312.jpg)
なにしろ、ダイナミックパフォーマンスのスペックではそもそもアヴェンタドールを打ち負かしているうえ、FRならでは、のファンなドライバビリティを、約500万円も安く提供してくれたからだ。
F12はフロントエンジンゆえ、長い管を通ってのサウンドもまた格別でこれぞ跳ね馬の“嘶き”。
猛牛の“咆哮”とは、ひと味もふた味も違う。芸術的ともいえるサウンドが、ドライバーの頭と身体をビンビンに震わせる。&圧倒的な軽やかさは、もうそれ自体、へたな絶叫マシンよりもスリリングだ。
F12とアヴェンタドール。いずれもスーパーカー二大ブランドのフラッグシップだけれど、これでスーパーカー大戦争も終わり、と思ったら大間違い。
上には上がいて、今年は1億円級のウルトラスーパーカー対決こそがハイライト。自動車史上空前のスーパーカーバトルになること、間違いなしだ。
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