■ミニバンを得意とするホンダらしく快適で実用性もハイレベル
車内の広さは特筆すべきポイントのひとつだ。全長4790mm、全幅1955mm、全高1820mmというボディサイズを生かしながら、低床化やエンジンなどのメカニズムをコンパクトにするといったホンダならではのクルマづくりを行うことで乗員がゆったりとくつろげる居住空間を確保することで3列7人乗車を可能にしている。
1列目、2列目ではリビング感覚の余裕を、3列目にも大人が充分に乗車できる空間が確保されている点は大型SUVらしい特徴と言える。快適に座れるだけでなく、ドアは大きく開き、シートが適切なヒップポイント地上高としていることで、乗用車感覚の乗降性を実現しているのもポイントだ。
SUVはさまざまな用途に対応できることを求められるが、その点でも満足できる能力を有している。特に荷室は、7名乗車時でも208Lという容量を確保しており、なおかつ必要に応じて2列目、3列目シートを倒して広大な荷室にすることができる。
シートは背もたれを倒すと同時に座面も下がる構造になっているので、荷室フロアは低くフラットにできる。しかも、タイヤハウスの張り出しが少なく、荷室開口部に段差がないため大きな荷物がスムースに出し入れできるというのも使い勝手のよさを実感できる。
フロア下にはシークレットボックスが設けられているほか、AC100V電源、DC12V電源のアクセサリーソケットなどの便利装備も充実し、日常からアウトドアレジャーまで幅広い場面で頼もしく使える。
大柄でヘビー級のSUVだが、走りに心許なさはなく、車格に見合った動力性能を発揮するパワーユニットの搭載や、あらゆる場面で抜群の安定性を発揮するシャシーによって爽快な運転感覚を持ち味としていた。
エンジンはパワフルな特性とクリーンな環境性能を両立したV6 3.5L VTECエンジンを搭載。ゆとりの排気量に加え、ホンダ独創のVTECを核としながら吸排気系を中心にさまざまなテクノロジーを投入することで燃焼効率を徹底的に高め、すべての回転領域でフラットかつトルクフルな走りを実現した。
最高出力260ps、最大トルク35.2kgmという動力性能を達成しながら、平成22年燃費基準に適合するとともに、10・15モード燃費で7.8km/Lを達成することで、車両重量2020kgを超えるLサイズSUVクラスとしては初の「超-低排出ガス」認定を取得した。
サスペンションはフロントに充分なストロークを確保し、ダンパースプリングの特性を最適化したストラット式を、リアには低床、3列シートを可能するコンパクトなインホイールタイプのダブルウイッシュボーン式サスペンションを採用。強固な4つのリングシェル構造がもたらす高剛性ボディの効果も相まって、セダンに匹敵するハイレベルな操縦安定性と、快適な乗り心地をさまざまな場面で味わうことができた。
コメント
コメントの使い方