■パワフルな動力性能とシャープなハンドリング
スカイラインの名を冠していることから、走りのよさには定評があった。フロントミッドシップにV6エンジンを搭載することで実現した理想的な前後重量配分や、短い前後オーバーハング、大径タイヤなどを採用したFR-Lプラットフォームをベースに、サスペンションには、フロントダブルウィッシュボーン式、リアマルチリンク式の4輪独立懸架を採用。
理想的な減衰力特性をもたらすデュアルフローパスショックアブソーバーの効果も相まって、狙ったラインを正確に追従するスムースなハンドリングと、しっかりとしたグリップ感のある俊敏なフットワークを実現し、ハンドリングはSUVであることを忘れさせるほど軽快だ。
そのうえ、高いねじり剛性と効率のいい車体補強を施したボディが、路面の凹凸にしなやかに追従して余分な動きを瞬時に収束させ、不快な振動を抑えた優雅な乗り心地をもたらしている。その走りは背の高いスポーティサルーンのようでもあり、クロスオーバーの面目躍如といえるものだった。
走りに対するこだわりは、搭載するパワーユニットからも見て取れる。VQ37VHRエンジンは、最先端技術であるVVEL(バルブ作動角・リフト量連続可変システム)を採用した日産独自のユニットで、最高出力243kW(330PS)を発生しながら、2400~7000rpmという幅広い回転領域で最大トルクの90%を発揮する力強さと扱いやすさを特徴とする。
VVELを採用したことによって、アクセルペダルの踏み込み量に応じてエンジンの吸気バルブの作動角とリフト量を可変制御して吸気抵抗を低減。吸入空気の応答を飛躍的に高めることでレスポンスのよさと高出力、さらに低燃費でクリーンな排出ガス性能を実現している。
トランスミッションは、マニュアルモード付7速オートマチックトランスミッショが組み合わされる。広いカバーレンジを持つギヤ比により、伸びやかで途切れのない加速を発揮するとともに、高速走行時の燃費と静粛性の向上が図られている。
駆動方式はスカイラインセダンと同様にFRのほか、電子制御トルクスプリット4輪駆動システムであるアテーサE-TSを採用した4WD仕様もラインアップされていた。
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