■高度なパフォーマンスを存分に楽しむ技術が満載
卓越した走行性能を安心かつ快適にサポートする装備も充実していた。各種センサーによって運転操作や車速などを検知し、ブレーキ圧やエンジン出力を自動的に制御。滑りやすい路面やコーナリング、障害物を回避する際に発生する横滑りを防止し、走行時の安心感を高めるVDC(ビークルダイナミクスコントロール)が採用されている。
ドライバーの意図とは別に、車線から逸脱しそうな場合に、ブザーとディスプレイ表示でドライバーに注意を促すLDP(車線逸脱防止支援システム)/LDW(車線逸脱警報)や、車速が約15km/h以上で走行中に自車前方の車両に接近した場合、表示と音でドライバーに注意を促すFCW(前方車両接近警報)をメーカーオプションで設定。
そのほかにも、運転負荷を軽減するインテリジェントクルーズコントロールをはじめ、照射範囲を広げるアクティブAFSなど、ドライバーが安心して運転できるよう先進装備を数多く採用していた。
居住性や実用性の高さもセールスポイントだ。運転席まわりは高い位置に配されたシフトノブやゆったりとしたくつろぎをもたらすロングアームレスト、自然な姿勢で操作できるセンターパネルなどによってドライバーズカーと呼ぶに相応しい作りとしていた。
本木目フィニッシャーには高級素材であるカーリーメイプルを採用し、表面はヴァイオリンのようなグラデーション塗装を施すことで華やかな仕立てとし、スカイラインらしいスポーティな雰囲気のなかに漂うエレガンスで独特の世界観を主張していた。
セダンが高年齢層向けだったのに対して、スカイラインクロスオーバーは若年層を想定したクルマとされていたが、価格はベーシックな370GTの後輪駆動モデルで420万円。最上級グレードの4WD仕様である、370GT FOUR Type Pが499万8000円と、かなり高額でおいそれと手が出せなかった。3.7Lという排気量による自動車税の高さ、リーマンショック後の景気悪化から立ち直りつつあった日本を襲った東日本大震災という逆風の影響により、販売は低迷する。
クーペ風のスタイルを特徴とするSUVが急増し、さらにクラウンやカローラといった歴史あるクルマの名を冠したクロスオーバーSUVが登場して好評を博している今なら、スカイラインクロスオーバーに対する評価や売れ行きは違っていたかもしれない。早すぎた登場と揶揄されるクルマは多々あるが、スカイラインクロスオーバーも間違いなくそれに分類される1台と言っていい。
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