マツダがアクセラをマツダ3と車名変更したのを皮切りに、アテンザ→マツダ6、デミオ→マツダ2と数字の名前に変更して話題になっている。
これについては否定的な意見が多いが、慣れ親しんだ車名を捨てることをもったいないと危惧しているといったほうがいいかもしれない。
車名を変更する最大の理由は、イメージチェンジしてリフレッシュすることで、販売不振から脱却を図るための常套手段ともいえる。対してマツダのように、メーカーの戦略によるケースもある。
車名を変更して成功したのか、失敗したのかを販売台数をもとに検証していく。
文:ベストカーWeb編集部/写真:NISSAN、MITSUBISHI、MAZDA、HONDA
車名変更のパターンは多岐にわたる
これまで車名変更されたクルマを見ると4パターンに分けることができる。
(1)派生元の名前を捨てる
コロナマークII→マークII、セリカカムリ→カムリ(トヨタ)、キャラバン/ホーミーエルグランド→エルグランド、バネットセレナ→セレナ(日産)、クイントインテグラ→インテグラ、フィットシャトル→シャトル(ホンダ)など成功したモデルが多い。
(2)元の名前は変えずに新たな名前を付加する
カローラセダン→カローラアクシオ(トヨタ)、プレーリー→プレーリーリバティ(日産)、シビックセダン→シビックフェリオ(ホンダ)、ランサー→ランサーセディア(三菱)、レガシィセダン→レガシィB4など成功、失敗ともにある。
(3)海外での車名に変更する
ヴィッツ→ヤリス(トヨタ)、デミオ→マツダ2、アクセラ→マツダ3、アテンザ→マツダ6(マツダ)など。グローバル化を進める戦略によるもので、マツダ車、来年登場するヤリスを含め今後販売面がどうなるのか注目していきたい。
(4)まったく違う車名にする
メーカーが後継車と明言する場合としない場合があるが、本企画ではこのタイプの車名変更したクルマについて検証していきたい。
日産サニー→ティーダラティオ
9代目サニー(1998~2004年)
累計販売台数:29万4921台
初代ティーダラティオ(2004~2012年)
累計販売台数:16万7172台
カローラと並ぶ日本を代表する小型セダンのサニーの最後のモデルとなったのが1998年に『世界基準セダン』というコンセプトでデビューした9代目。伸びやかなフォルムは好評だったが、販売には結びつかず、途中で月販目標も6000台から4800台に下方修正するなど苦戦は続いた。
とはいえ9代目も8年間販売され月販平均3000台程度はキープ。ほかのモデルなら成功でもサニーでは失敗の烙印を押されることに。
そして日本市場では2004年に後継モデルのティーダラティオの登場をもって栄光のサニーの車名は37年で消滅してしまった(海外では一部継続)。
そのティーダラティオは小型セダン受難の時代だったこともあり、高級感、上質感をアピールするも9代目サニー以上に販売面で苦戦。車名がサニーのままだったとしても同じ結果だったかもしれないが、それならサニーの車名を継続してほしかった。結果論だがサニーラティオじゃダメだったのか!?
ティーダラティオはその後ラティオとなったが、2016年いっぱいで日本での販売を終了。
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