■ブレーキフィールは「シルキー!」
―運転席に乗り込んで試乗開始―
岡本:走りは本当に滑らかですよね。「e-ペダル」というものがあります(ONにする)。
松重:あっ、なんか踏まれた!
岡本:アクセルオフだけでブレーキを踏んだかのように回生して減速するので、アクセルのワンペダルdけでドライブできちゃうというものです。これは強さの段階はなくて、ONかOFFかという選択ですね。
松重:そういえば、BMWの電気自動車のi3もこんな感じだったのを思い出しました。…(ウインカーを操作して)車線変更しますよっていう時のウインカーが面倒くさいな。あ~面倒くさいこれ、一回戻さなきゃいけないんだ…
岡本:これ、わかりにくいという声がありますね。
松重:右にして戻ろうとすると、この加減を覚えろって感じですね。
(走って)やっぱりさっきのMX-30と比べると、ボディの重と重心の高さを感じますね。EVだから低重心でバッテリーの重さとかで走行安定性を図るんであればいいんでしょうけど、そのバッテリー自体がちょっと高いところにある感じがして、なんか走行安定性がこのくらいの低速でも若干劣るかなという気はします。
松重:ハンドルの遊びとかがう~ん、大きいのかなあ。あまりリニアな感じはしない。
岡本:地上高が高くてタイヤの径が大きいので、そうお感じなのかなと思います。
松重:でもブレーキも上質ですね
岡本:コントロールしやすい感じですか?
松重:コントロールしやすい感じですね。シルキー!
岡本:お~、さすが松重さんらしい表現が出ましたね。シルキーなブレーキフィール!
松重:停まる時は気持ちよかったですね。
岡本:e-ペダルをオンにしてみますね。むしろe-ペダルのほうが違和感あるでしょうか?
松重:あります!停まり過ぎ!
岡本:昔よりよくなったんですけど停まり過ぎ?
松重:う~ん、なんだかおふくろに行っちゃだめ、速いからって「うるさいおふくろ」って言いたくなるような、「あんた、飛ばしなさんな」って面倒くさいおふくろが言ってる感じがしますね。
■5点満点で採点チェック!
―撮影拠点に戻ってー
岡本:さて、アリアB9 e-4ORCEの評価はいかがでしょう? 5点満点で採点していただきたいと思います。忖度なしでお願いします。
松重:僕の評価点は3.5点です。EVのSUVということで、それなりに値段するし、ボディサイズもそこそこ大きいけど、思ったよりも取り回しもよくて走って楽しいです。
電気自動車というものが10年後どうなっているのか、というのを考えたときに、まだ不確定要素は大きくて、このままで通用するのかどうかという気もしなくありません。そこが気がかりですね。
インテリアとか乗り心地は申し分ないです。電気自動車の未来はアリアにかかっているところも大きいと思いますので、今後も見守り続けたいと思います。
岡本:ありがとうございました!
※ ※ ※ ※ ※
いかがだったでしょうか? 次回はクラウンセダンFCEVをお届けします。
【松重 豊 プロフィール】
俳優。1963年1月生まれ、福岡県出身。蜷川スタジオを経て、1992年、黒沢清監督『地獄の警備員』で映画デビュー。以降、舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍。近年の主な出演作に、『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』(細川徹監督)、『ツユクサ』(平山秀幸監督)、『青春 18×2 君へ続く道』 (藤井道人監督)など。ドラマでは、『孤独のグルメ』シリーズ(テレビ東京)、『きょうの猫村さん』(テレビ東京)、大河ドラマ『どうする家康』(NHK)など。また、エフエム横浜『深夜の音楽食堂』にてラジオパーソナリティも務め、雑誌クロワッサンで「たべるノヲト。」を連載中。2020年には自身初の書籍「空洞のなかみ」、2023年には枡野俊明さんとの共著「あなたの牛を追いなさい」を刊行する
【岡本幸一郎 プロフィール】
モータージャーナリスト 1968年5月生まれ。生まれは富山県滑川市だが、父の仕事の都合で幼少期を横浜の小机で過ごす。その頃に早くもクルマに目覚め、街を走るクルマの車名をすべて言い当てるほどのクルマ好き少年となる。学習院大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作や自動車専門誌の編集に携わったのちフリーランスへ。あらゆるカテゴリーを幅広く網羅し、ユーザー目線で情報発信することを身上としている。2024年5月現在、乗り継いだ愛車は26台。幼い男女二児の父。2004年より日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、2008年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員となる
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