■スポーティ路線への転向はありだったのか?
1997年、誕生からわずか1年で運転席&助手席用のSRSエアバッグシステムと3チャンネルデジタル制御ABSを全車標準装備するなど、安全装備の充実化がはかられた。実用的なクルマだからこその措置だったが、現代ほど安全装備が重視されてなかったために、メーカーが期待したほどここでの評価は上がらなかった。
1998年にはマイナーチェンジを敢行。フロントバンパーなど複数のスポイラー類が形状変更され、たくましい雰囲気を獲得している。インテリアにはカーボン調パネルなどを採用し、スポーティさがプラスされた。その他、高熱線吸収UVカットガラスを全車標準搭載、電動格納式ミラーの採用など、装備類も充実化されている。
その効果が販売面で感じられなかったのか、翌1999年にもマイナーチェンジがなされている。イメージカラーを赤として、スポーティグレード「S」を追加。車高を15mm下げたサスペンションやリアスタビライザーなどを装備、最高出力を5馬力向上して、走行性能を高めている。
このあたり、スポーティさが高く評価されていたレガシィへの対抗心か、はたまたユーザーからの要望もあったのか。当初の「使えるワゴン」から「スポーティワゴン」への方向転換がよくなかったのか、2002年に生産終了となる。
ホンダのコンパクトワゴンは数年後にエアウェイブが登場するまで空席となった。そしてオルティアの名称が受け継がれることもなかった。いま思えば、平均点の高い不満の出ないクルマだったオルティア。ワゴンブームが終わった現代になってみると、デザインに頼らない実力派のステーションワゴンは貴重な存在であった。
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