■庶民でも参加しやすいレースって?
今回のレースはマシンのカラーリングを見ても分かるように、瀬戸製作所チームの車両。サーキット走行が大好きな瀬戸製作所の会長が、走るのが大好きな社員のために用意したレース車両だったが、想像を遥かに超えるハイレベルなレースであることが分かり1戦で断念。
出入り業者でサーキット仲間でもあるDEKATO選手に声が掛かった。というわけで、突然転がり込んだ楽しい話。本来ならカップカーを購入し、バケットシートやシートベルト、アルミホイール、機械式LSD、ミッションオイルクーラーを装着するなどレース用に仕上げると軽く見積もって約700〜800万円(車両代込み)。
DEKATO選手の場合は実戦レースのブランクが長かったため、レースに使用出来る期限が切れたヘルメットなどのドライバー装備品の新調。そしてこれまた期限が切れていた鈴鹿のサーキットライセンスを更新などにも大枚を払い、そこからセッティングやドライビングで戦闘力を上げるための走り込みが始まる。
1セット約12万円のタイヤを1レースに3〜4セット使うということもあり、1戦の参戦費用は100万円が目安。ということは、新車を買ってレース用に仕立て上げて1年間レースをするとなったら、800万円+100万円×7戦。2年目以降、クルマがあったとしても700万円。消耗品やクラッシュの修復費を考えると1000万円は覚悟しておく必要があるだろう。
あれ? 厳しいレギュレーションによってコストが抑えられ、腕で勝負が出来るカテゴリーじゃなかったの?? という声が聞こえてきそうだが、・・・それは比較論。ちなみにポルシェ911GT3 cupで走るワンメイクレースでは、ミッションが壊れただけでこのクラブマンレースの年間予算を超える。と考えると、GR86/BRZ Cupのクラブマンシリーズはかなり安い。とも言える。
庶民感覚の持ち主でもどうにか参加出来るレースに出たい! というのなら、企業名が大きく入っていたりしないクルマが走っているカテゴリーを選ぶこと。ステッカーを貼っていない、つまりノースポンサー。ポケットマネーで走れるという証。
これに該当するのが、軽自動車で走る「N-ONE オーナーズカップ」や「ヤリスカップ」、そしてロードスターの「パーティレース」だ。N-ONEなら2ペダル。ヤリスなら2ペダルでも3ペダルでもレース参戦が可能。
ロードスターは接触したらペナルティというマイカーレーサーにとって有難いルールもある。しかも、それぞれのカテゴリーにはそのままの仕様で参加出来る耐久レースが用意されているところも魅力。
他にもレンタルマシンでレースをするAUDI A1 FUN CUPなんてレースもある。日常では決して味わうことが出来ない刺激的なモータースポーツ。ヒリヒリした時間を体験したら虜になること間違い無し。
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