自動車部とは、ジムカーナやダートラなどに参加する、大学公認の学生レーシングチーム。体育会に所属する、れっきとした運動部だ。全日本学生自動車連盟主催の大会で運転と整備の技術を競っており、全国で熱い戦いを繰り広げている。今回は初の関西遠征、同志社大学の自動車部にお邪魔した!!
※本稿は2024年9月のものです
文:奥野大志/写真:奥野大志、スズキ、トヨタ、マツダ、ホンダ ほか
初出:『ベストカー』2024年10月26日号
■大学自動車部調査隊初の関西遠征!
●同志社大学体育会自動車部
・正式名称:同志社大学体育会自動車部
・創部:1933年(昭和8年)
・部員数:30名(2024年取材時)
・保有車両台数:3台(実動の試合車)
・活動場所:京田辺キャンパス内自動車部ガレージ
今回は関西に初出張。関西私大の難関校、“関関同立”の一角を占める同志社大学にお邪魔しました。
同志社大学は1875年(明治8年)に創設された同志社英学校をルーツとする大学。現在は文系と理系を合わせて14学部を有する総合大学に発展しており、京都府内に6つのキャンパスを構えています。
同大自動車部の活動拠点は奈良方面に向かった、京田辺キャンパス内にあります。緑豊かな丘陵地帯にあり、とにかく広いという印象ですが、自動車部に到着してビックリ! ゆうに100台は停められそうな、広大なアスファルト練習場の中にガレージがあるのです。
しかも、この日は選手選考会の真っ最中。目の前ではパイロンを立てての真剣タイムトライアルが行われており、ほとんどジムカーナ場といった具合です。
「うちの特徴はなんといってもこの広いガレージです。本来サーキットやジムカーナ場に行かないとできないことがこの場所ではできます。常識的な範囲内であれば音も出せるのでドリフトも可能です。逆にできないのはダートラくらいですね」と語るのは4年生の主将、小泉駿太郎さん。
練習場を持つ、他大学の自動車部もあるにはありますが、筆者が知る限り、ここまで恵まれた環境はありません。ここで4年間を過ごしたら、運転がめちゃくちゃ上手くなりそう。
「今年(2024年)、1年生が12人も入ってくれました。新入生勧誘に力を入れたからですが、OBの方の協力を得て、ドリフトの横乗りをここでやったところ非常に好評で、入部を決めてくれた人も多いと思います」(同)。
それはそうでしょう(笑)。ドリ車の隣に学生が乗ったら「オレもドリフトしたい」と多くの人が目を輝かせるはず。クルマに興味のある学生にとって、ドリフトは訴求しやすいキラーコンテンツ。それを自前の敷地で自由にできるなんて……。筆者はもう一度学生に戻って同大自動車部に入部したいとマジで思います。
【画像ギャラリー】広大な練習場はほとんどジムカーナ場!? 広い敷地でのびのびと勝負に挑む同志社大学自動車部(30枚)画像ギャラリー■上位の厚い壁! 大学自動車部のハイレベルな戦い
同大自動車部は1933年(昭和8年)に創部。間もなく100周年を迎える、歴史と伝統を誇る部です。現在は30人で活動しており、長期休み中の活動日が毎週火曜日と土曜日、学校がある時は土曜日のみとなっています。
参加している競技は学連主催の全関西と全日本のジムカーナ、ダートラ、フィギュアの3つ。全関西は関西圏の大学10校ほど、全日本はその名のとおり、関東を含む全国の大学と競います。
2024年8月4日(日)に行われた全日本学生ダートラでは明治大学、広島大学、千葉工業大学に次ぐ団体4位と、女子の部で個人2位を獲得。しかし、8月25日(日)に行われた全日本学生ジムカーナでは団体23位と悔しい結果に終わっています。
「最近、大会で優勝がなく、特にジムカーナはまったく勝てていません。練習場の外で練習していないのと、インテグラタイプR(DC2)の調子がどうしても悪くて……。ここは確かに広いですが、大がかりな練習ができるほどではないので、外で練習する必要性を感じています」(同)。
選手選考会の様子をしばらく見学させてもらいましたが、みんな上手のひとこと。部員それぞれが異なる駆動方式の個人車を所有し、ガレージまで通学しているのもテクニックの底上げにつながっていると感じます。
ただ、それでも苦戦するのですから、大学自動車部は本当にハイレベル。同大に限らず、30年選手のDC2を現役で使い続ける苦労も相当なものだと思います。
「今、試合車の車両規定が新しいものに切り替わっている途中で、ダートラは先行してDC2からスイフトスポーツに切り替えました。ジムカーナ用にはNDロードスターを導入済みで、先行して来年から動かしてもいいのかなと思っています」(同)。
コメント
コメントの使い方