マシン壊れていないのにリタイヤ!?　新井選手を襲った悲劇のトラブルが衝撃

　本日7月5日からスタートした2025 ARK ラリー・カムイ。我ら新井大輝選手のケータイに朝不穏な着信が!! まさかのエンジンがかからずという事態に。スタート時間ギリギリでスタートするも車内は70度という超高温になってしまった。かと思えば再びトラブル!! どうなる新井選手!!!!!

文・写真：新井新輝

早朝に電話が!! まさかの大トラブル発生でもなんとか出走

　いよいよ本番の土曜日の朝、ラリー開始前から不穏な着信がチームから入り嫌な予感がしました。予感は見事に的中し、”アライさんエンジン掛かりません！”の第一声!!

　早速ストレスゲージは80%くらいまで跳ね上がり、”まじかよ”と思いながら恐る恐るサービスパークに行くと、シュコダ丸のバッテリーが完全にカラになっていました。昨日の車検後にメイン電源を切り忘れたことが原因で一晩中ONになっており完全にバッテリーが上がっていたようです。

　取り敢えずスタートしないとリタイヤになってしまうので、急いで充電しました。しかし残り30分でエンジンが掛かるほど甘くなく、めちゃくちゃ重いジャンプスターターを使って無理やりスタート5分前に始動させることには成功しました。

　ジャンプスターターが20kg近い重さだったので、ステージタイムは犠牲になるけど仕方ないかと割り切ってトランクに固定して1分前にサービスアウト!!

北海道とはいえ真夏日!! 車内は70度のサウナ状態に

　ギリギリTC0に滑り込み万事休す、もちろんバッテリーは充電されてないからエンジンは切れないし、こんなときに限って異常気象で真夏のように暑い北海道でずっとエンジンつけっぱなしの状態で1日を乗り切らないといけないのは想像を絶します。湿度が1番キツかった……。

　SS1のスタート、エンジン掛けっぱなしなので車内の温度は70℃近くまで上昇し早くもサウナ状態に。

　アライさんはサウナ好きなので意外と苦も無くSS1をスタートし、しかしフィニッシュ手前1km地点からシュルル、シュルルと何やら空気が抜けるような音が……パワーも無いし今度は何だよ……と恐る恐るフィニッシュしてからエンジンルームを覗くとターボのインテークパイプが外れかけていました。

　もうここら辺から車載工具を出してエンジン切れないから熱々のエンジンルーム内の緩んでいる箇所を死ぬ気で締め直していたので、記憶が朧げになっていましたが、汗はボタボタ垂れて来てしんどかったのを覚えています。

えええ、次はなによ!! 新井選手さすがの判断がスゴい

　時間の少ないロードセクションで何とか時間ギリギリ使って修理を終わらせて、SS2へ、もうスタート時点で汗がビショビショでサウナ好きのアライさんでも辛かった、、、。

　何とかスタートできたのも束の間も6km地点でプシュ！　という音と共にインタークーラーのホースが完全に抜けてしまいラリーはあっけなく終わってしまいました。制限時間内にやりきれなかったところが完全に外れてしまったようでした。

　なんとか試行錯誤しながらマシンをSS2のフィニッシュに運ぶも既にこの段階で1分以上ロストしていたので、この先待ち受けてるSS3とSS4でロストする時間とマシンの消耗とランニングコストのリスクを考えるとリタイヤすることが先決だと判断しました。

　SS1はそれでもベストタイムを取れていたし、勝てたイベントを落とすのはドライバー的には悔しくて悔しくて仕方ないですが、このミスからしっかり学んでチームが成長してくれれば何より嬉しいです。

　次は2ヶ月先のラリー北海道ですが今回のようなミスが起きないように対策を早急にして切り替えて頑張ります！