昨年筑波サーキットで小林可夢偉が43秒台のコースレコードを叩き出した。筑波をご存じの方なら、このタイムが如何に驚速かご存じだろう。
畑違いながら、東京-名古屋間の新幹線の所要時間は、1964年の開業時に4時間(ひかり)だったのが、今や2時間25分になっている。例えるなら可夢偉のレコードはそれぐらいのインパクトがあるといっても過言ではない。
さて、鈴鹿や富士その他のコースレコードはどうなっているだろうか?
文:WEBベストカー編集部/写真:Ferrari,TOYOTA,モビリティランド,WEBベストカー編集部
筑波のレコードは前代未聞の43秒台!!
まずは筑波のコースレコードから見ていきたい。冒頭で触れた小林可夢偉のタイムは、『スピード×サウンドトロフィー』というイベントでタイムアタックを行い樹立したもの。
この43秒304というタイムは全カテゴリー含めた歴代トップのコースレコードとなっている。
ちなみに、現行ND型ロードスターレースの記録は1分9秒台。ツーリングカーでは1分を切るのは至難の業といえ、それだけに筑波で43秒台という可夢偉のタイムが、いかに驚速かわかる。
可夢偉は、2年連続でスーパーフォーミュラマシンによるタイムアタックを行っており、2015年に記録したタイムは44秒540だった。
そして、それ以前は脇阪寿一氏がフォーミュラ・ニッポンマシンで出した46秒935というタイムがコースレコードで、2001年に樹立されて以来、15年以上破られていなかった。
富士のレコードは2度と破られない?
鈴鹿サーキットと富士スピードウェイは、ともにF1で叩き出したタイムがコースレコードとなっている。
富士スピードウェイでは2007年と2008年の2年間、F1日本GPが開催された。そして、2008年のF1日本GP予選でフェラーリのフェリペ・マッサが刻んだタイムが、今に至るまでコースレコードとして残っている。
ちなみに、F1の次に速い富士のレコードは2014年にスーパーフォーミュラマシンで記録したものでタイムは1分22秒台でコースレコードの約5秒落ち。
2009年からF1日本GPは、ふたたび鈴鹿で開催されているので、この先富士でF1をまた開催しないかぎり、マッサがフェラーリで樹立したタイムを更新する日はかなり遠いかもしれない。
鈴鹿のレコードが10年以上破られていない理由
いっぽう、2007〜2008年を除き、1987年から毎年F1日本GPが開催されている鈴鹿では、2006年にミハエル・シューマッハが刻んだタイムが未だに破られていない点も面白い。
この記録が生まれた2006年のF1マシンは2.4L、V8エンジンを採用しており、翌2007年からはエンジン開発が原則凍結された。そして、2014年からはエンジンが現在の1.6L、V6ターボとなった。
こうした背景もあって、2006年にシューマッハがフェラーリで樹立した記録は未だに破られていないのだ。
ちなみに、2016年の日本GPで予選1位を獲ったニコ・ロズベルグ(メルセデス)は1分30秒647というタイムを記録している。
今年は規則の変更で「F1は5秒速くなる」とも言われているだけに、10月7日の日本GP予選で鈴鹿のコースレコードが更新される可能性はかなり高いだろう。
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