豊田章男会長の技術部へのリスペクトと情熱
豊田章男会長は技術部を「白い巨塔」と呼んだりするが、エンジニアを誰よりもリスペクトしている。
「もっといいクルマ」をつくるためには、コミュニケーションが欠かせないが、技術部はデータや数字を追いかけ、一方で感性を重視する豊田章男会長(当時は副社長)と話がかみ合わなかった。
豊田章男会長はそこでエンジニアと直接「クルマの話」ができるよう運転を学んだ。時間を見つけては師匠でありマスタードライバーの成瀬弘と一緒にニュルブルクリンクサーキットに行き、成瀬から運転技術と評価のポイントを学んだ。
豊田章男会長は当時を振り返って「必死でした」と語っている。いいクルマを作るには技術部に飛び込んでいかなければならない。技術部から見れば「なぜそこまでするのか? 面倒な人だ」だったであろうが、豊田章男副社長を突き動かしていたのは「もっといいクルマを(技術部と)一緒につくりたい」という「情熱」であった。
翻って技術者はどうだろう?「エンジニアは追い込まれた時ほど、いい仕事をします。ル・マンに絶対に勝つ! 」と言い切ったことで、エンジニアは勝利できるクルマづくりに邁進していった。
トヨタレーシングに勝利をもたらした中嶋氏。今回のル・マンに限らず、やりたいことに挑戦して失敗してまた挑戦する。そんな組織に技術部を改革することが、豊田章男会長の「チャレンジさせているか?」の問いに答えることになる。
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