2020年6月12日17時にTwitter上にて鈴鹿サーキット公式アカウントが【F1日本グランプリ中止について】という投稿を行った。
添付されている公式リリースによれば海外からの渡航に関する規制解除の見通しが立っていないこと、また社会状況や国際的に大規模な移動を伴うイベントの特性から開催中止を判断したとのこと。
昨シーズンに続いて今季もホンダパワーユニットが好調と伝えられていただけに、この知らせは日本のモータースポーツファンにとっても非常に残念であるし、各チーム、そして鈴鹿サーキットにとっても苦しい決断になるだろう。
ベストカーWebでは状況を一度整理しつつ、F1の今後についても触れていきたい。
文:ベストカーWeb編集部/写真:RedBull CONTENT POOL、モビリティランド
【画像ギャラリー】29年ぶりの母国優勝も狙えたのに…2020年ホンダエンジン搭載車とドライバーの雄姿
■世界を巡るF1ならではの事情と苦悩
2020年は新型コロナウイルスの影響で多くのモータースポーツが影響を受けた。その最たるものといえば世界を巡るF1であろう。
本来の予定では、2020年3月15日のオーストラリアグランプリを皮切りに、11月29日のアブダビグランプリまで22戦が予定されていた。開幕戦となるオーストラリアグランプリはレースウィークに入っての中止など、現場も非常に混沌とした状況になっていた。
何度もスケジュールが調整されているが、2020年6月12日現在は、7月からのヨーロッパラウンド8戦分のスケジュールが発表されている。
(1)7月3日~5日 オーストリア(レッドブルリンク)
(2)7月10日~12日 オーストリア(レッドブルリンク)
(3)7月17日~19日 ハンガリー(ハンガロリンク)
(4)7月31日~8月2日 イギリス(シルバーストン)
(5)8月7日~9日 イギリス(シルバーストン)
(6)8月14日~16日 スペイン(バルセロナ)
(7)8月28日~30日 ベルギー(スパ・フランコルシャン)
(8)9月4日~6日 イタリア(モンツァ)
ヨーロッパでのグランプリが再開してそのままアジアへ向けてF1サーカスは巡ってくる。そんな淡い期待を多くのファンは持っていたはずだ。
しかし当初予定で第18戦として10月11日に鈴鹿サーキットにて予定されていた日本グランプリは、残念ながら公式に中止という知らせが舞い込んできた。
日本はコロナウイルス関連の死者数も抑えられているものの、外国からの入国が制限されていること、そしてその状況がいつまで続くかわからないなど、F1のレース実施については非常に厳しい状況に置かれている。
絶好調とも言われていた2020年バージョンのホンダパワーユニットの日本上陸は幻となってしまった。ワールドチャンピオンのベッテルに「神が作ったコース」と言わしめた鈴鹿サーキットで、熱き戦いをできなくなってしまったことはドライバーにとっても残念なことだろう。
特に、ホンダは昨シーズン3勝をあげて、年間ドライバーズランキングで3位に食い込んだマックス・フェルスタッペン(アストンマーティン・レッドブル・レーシング)を擁していただけに、1991年のゲルハルト・ベルガー以来実に29年ぶりのホンダ母国優勝が見られるのではないか…と期待していたファンも多いだけに、悔しさはひとしお。
日本のモータースポーツファンにとって鈴鹿の日本グランプリは数々の伝説を生み出した舞台。担当もひとりのファンとして残念で残念で、本当にガックリなのだが、2021年の日本グランプリを楽しみにしていきたい。
すでに中止となったMoto GP、そして今回のF1の中止で日本ではモータースポーツ世界選手権の中止が相次いでいる。
WRC ラリージャパンもいったいどうなるのか心配はつきないのだが、一刻も早いモータースポーツ正常化、そしてコロナウイルス感染者の1日も早い快癒を祈りたい。
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