手を伸ばせば届く!? WRCの驚くべき距離の近さ
このように、WRCを頂点とするラリーでは、サーキットでまずお目にかかれないようなビッグアクションがそこらじゅうで楽しめる。
しかも、そのアクションを、開催国によっては非常に近い位置で見ることができるのがWRCならではの魅力。
例えば、フィンランドの件の50mジャンプでは、コースから10mも離れていないようなところでジャンプを見物できる。着地した瞬間は、大げさではなく地面が揺れるのが分かるほどだ。
そして、車がはね飛ばした砂利が飛んでくることだってある。未舗装路のラリーでは砂煙もすごくて、お相撲でいうところの砂かぶり席状態。
なかには、手を伸ばせば車に触れるぐらい近い距離で観戦できるラリーもあり、良くも悪くも車との距離は近い。安全性という意味ではサーキットよりも劣るが、その分だけ迫力は感じられる。
車だけでなく、選手と間近で触れ合えるのもWRCのよさだ。
F1などサーキットレースと比べると選手もみなフレンドリーで、車を整備するための、サービスパークと呼ばれる場所に行けば、ラリーの間でも一緒に写真を撮ったり、サインをもらったりすることができる。
見に来てくれたファンを大事にしようというホスピタリティ精神はWRCの伝統で、どんな偉大なチャンピオンだってお高くとまっていない。ヒトもまた、WRCというスポーツの魅力なのだ。
『自然に囲まれたWRC』楽しみ方は人それぞれ!!
最後に、アウトドアも楽しめるという点だが、WRCのコースは山や森、草原が舞台となるため、とにかく解放感満点。
お客さんたちも、ただ単に車の走りを見るだけでなく、好きな飲み物や食べ物を持参してハイキング気分を満喫している。コースサイドにテントを建ててバーベキューをやったり、お酒で大盛り不がりしている本格派も多い。
彼らはラリーの前の日から野外パーティーを始めて、車が来るころにはテンションマックス。中には、酔いつぶれてクルマが来ても起きないような御仁もいる。
いったい何にしに来たの? と聞きたくなるが、まあみんなWRCをネタに、それぞれイロイロな楽しみかたをしている。ハイキングやバーベキューのついでに、ラリーを見ているような感じの人も少なくない。
このように、WRCの魅力は、派手なアクションを間近で、そして自由なスタイルで楽しめるという点にある。
ルールなんて分からなくとも、ただ目の前で起こっているコトを楽しめばいいのだ。だから、日本でWRCをテレビで見る時も、おいしい飲み物や食べ物を口に運びながら、リラックスして見てはいかがだろうか?
きっと、WRCの自由な雰囲気の一端を感じられるはずだ。
■4メーカーが鎬を削る WRCの勢力図
2017年にトヨタが復帰したWRCだが、現在はヒュンダイ、シトロエン、フォード(Mスポーツ)の4メーカーが鎬を削っている。
フォードに関しては、Mスポーツという英国のラリーチームが主体の“セミワークス”体制。
トヨタはヤリス(日本名ヴィッツ)、ヒュンダイはi20、シトロエンはC3、フォードはフィエスタをベースとしながら市販車とは一線を画す専用マシンで戦っている。
年間のポイントランキングは以下のとおり。トヨタの更なる活躍に期待だ!!
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