レッドブル・ホンダに優勝の芽は充分あったが…
さらに決勝では、ハミルトン(メルセデスAMG)が予選で黄旗無視、スターティンググリッド降格ペナルティを受けたことで、フェルスタッペンは2番手のポジション。
スタートもそつなくこなし、メルセデスのバルテリ・ボッタスを至近距離で追尾、この時点ですでにフェルスタッペンの勝利を予想するには充分であった。彼のタイヤはミディアムでライバル達は皆ソフトなのだから。
残念ながらフェルスタッペンのレッドブル・ホンダにアンチ・ストールが働いてしまうというトラブルが発生、電気系の問題でエンジンは回らずアイドリング状態に落ち込みリタイア。
残るチームメートのアレクサンダー・アルボンは、セーフティーカーの出動時にソフトタイヤへ変更、一気にメルセデスを追い上げた。タイヤの状態とスピード差を考えればアルボンには優勝の芽も出てきたのだが……。
開幕戦で見えたレッドブル・ホンダの期待値は?
第4・第5コーナーでハミルトンを抜き前へ出たアルボンの後輪に、ハミルトンの前輪が接触。アルボンはコース外に押しやられ彼のチャンスは潰された。
これでハミルトンには5秒加算のペナルティが下されたものの、レッドブルとホンダの希望はここで断たれてしまった。おまけに終盤アルボンのPUにミスファイアが発生、パワーが落ちリタイアを余儀なくされた。
この結果だけで見るとレッドブル・ホンダはまだまだと思うかもしれない。しかしこの結果の裏にはレッドブルの大きな進歩と変化を感じる。
結果的に電気系のトラブルはあったものの、メルセデスもフェラーリも問題を抱えていて、実は互角。現実にはホンダPUはルノーもフェラーリも抜き、今やメルセデスと肩を並べるところにまで来たことが証明された、もちろん総合的なパフォーマンスで。
次戦も同じレッドブルリング(決勝=7月12日)、そしてハンガリー、さらにはシルバーストーンでの2連戦……みなフットワークの良いレッドブル・ホンダRB16型のサーキットだ。
紆余曲折を経て始まったF1グランプリ。幕を上げて見れば予想通り、レッドブル・ホンダへの風向きを強く予感させる、そんな開幕戦であった。
◆F1 2020年シーズンの日程と開催地
第1戦/オーストリアGP/7月5日決勝
第2戦/シュタイアーマルクGP※/7月12日決勝
第3戦/ハンガリーGP/7月19日決勝
第4戦/イギリスGP/8月2日決勝
第5戦/F1 70周年記念GP※/8月9日決勝
第6戦/スペインGP/8月16日決勝
第7戦/ベルギーGP/8月30日決勝
第8戦/イタリアGP/9月6日決勝
(※「シュタイアーマルクGP」はオーストリアGPと同じレッドブルリンクで2週連続開催、「F1 70周年記念GP」はイギリスGPと同じシルバーストンサーキットで開催)
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