マクラーレンはもはや“強豪”ではない
ドライバーのアロンソはホンダパワーユニットを非難する。そして、「マクラーレンのマシンは高性能」と言い切る。その言葉は、『彼の居場所はマクラーレンしかなく、ホンダでは勝てない』というジレンマの中からの、彼なりの演技ではないかと疑える。
マクラーレンのマシンは素人が見てもトップ3、いやトップ3のマシンには大分劣ると思える。
それはホンダパワーユニットのパワー不足を訴え、トップスピードの低さを罵りながら、(高速サーキットの)スパやモンツァで、大型のヘビーダウンフォースウィングを使っていることでも明らかだ。これでも「マシンはいい」と言えるのだろうか?
(低速サーキットの)ハンガリーやモナコ、そしてシンガポール等が速いのはマシンのよさと言うが、業界一ショートホイールベースなマシンは、トリッキーなサーキット以外では余り役に立つ事はないはずだ。
ホンダがその誹りを背負ってマクラーレンから三行半を突きつけられて、すごすごとトロロッソへ向かう姿は以下にも暗く落ち込んだ風景に見えてしまう。しかし、現実はどうだろうか。
“強豪”レッドブル直系チームとの関係は最良の選択
トロロッソは大きな重圧を持たない。そう、レッドブルのドライバー教育チームなのだから。これまでも少ない予算でマクラーレンよりも競争力のあるマシンを作ってきた。スタッフの移動は少なくチームメンバーの結束も固い。彼らは“レーシングチーム”なのだ。
もちろん、ホンダの望む大型トップチームのステータスはなく、勝利経験もほとんどない、常に低予算で戦う小規模チームだ。
だからこそ、彼らに捨てるものはなく、技術陣は若きジェームス・キー以下チャレンジングだ。
トロロッソはカルロス・サインツをルノーワークスチームに放出。その後釜には、現在日本のスーパーフォーミュラを走る、ピエール・ガスリーが有力。まずはトロロッソ・ホンダでパワーユニット開発を完成させ、その後はレッドブル本体がルノーを捨て、ワークスホンダのステータスで走る……。
ホンダは2018年シーズン、プレッシャーなく開発に専念すればよいのだ。
マクラーレンでは、“今のレース”を何とかしなければならず、“今のレース”に答えが出ない事が責められてきた。マクラーレンでは、チームの形態上『その場の結果』が必要なのだ。だからこそ、トロロッソはホンダには持ってこいというわけだ。
トロロッソ・ホンダのコラボは、今後のホンダF1には最良の選択と考えて良いはずだ。むしろマクラーレン以上に大きな期待がもてそうだ。
あとはホンダのF1に向かう姿勢がまさに“F1型”にさえなれば……。
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