鈴鹿でのF1日本GPが30周年!! 皆勤賞カメラマンが語る鈴鹿F1名レース5選

■2000年代は鈴鹿の評価がググっとあがった

【2000 シューマッハ ハッキネン激突GP】

→「皇帝」のイメージを確実なものにしたシューマッハ。それまで名門とはいえ沈んでいたフェラーリをまた表彰台の頂点に引きずりあげた張本人だ。そんなシューマッハが21年ぶりにフェラーリドライバーとしてドライバーズタイトルを獲得。2000年、鈴鹿での出来事だった(編集部)。

 この二人もセナ・プロ対決に負けないほどの好バトルを演じていた。マクラーレン・メルセデスのミカ・ハッキネンがいかにもフィンランド人らしい!ぶっ飛んだ走りをみせていた時代。

 それに対してミハエル・シューマッハはテクニックだけでなくアタマも使って緻密な作戦(参謀役はロス・ブラウン)を展開。

ロス・ブラウン(右)にシャンパンをかけるシューマッハ(中央)。左上のハッキネンのすっきりした表情もいい感じだ
フェラーリのチームスタッフにシャンパンをかける優勝したシューマッハ(中央)。よきライバル関係だったハッキネン(左)のすっきりした表情もいい感じだ

 見ごたえのあるレースが続いた。この日本GPでフェラーリのドライバーとして21年ぶりに年間王者の座についたシューマッハ。ここから彼とフェラーリの黄金時代が始まったのだ。ミゾつきのブリヂストンタイヤ(ワンメーク)時代もなつかしい!

【2012 12年ぶり!日の丸が揚がったGP】

→1990年代に全盛を誇ったF1人気も陰を潜めていた2012年。ファンは日本人ドライバーの小林可夢偉に夢を託していた。持ち前のドライビングで同年の日本グランプリ予選で4位を獲得。1990年の鈴木亜久里以来となる、日本グランプリでの日本人表彰台に期待がかかっていた(編集部)。

 雨と霧に悩まされ、大混乱となった富士スピードウェイでのF1開催(2007)。苦戦が続いたトヨタのF1活動(2002~2009)。リーマンショック。ホンダの一時F1撤退(2008)……、暗いニュースが続き日本GPの観客数も減少傾向。

 そういった流れを払拭してくれたのが、この年の小林可夢偉(ザウバー・メルセデス)の快走だろう。シーズン中からわりと調子よく、存在感をみせつけていたとはいえ、レース終盤は世界王者の経験もあるジェンソン・バトンと好バトル。

小林可夢偉(右)の快走で久しぶりに日本人が鈴鹿の表彰台に上がった
小林可夢偉(右)の快走で久しぶりに日本人が鈴鹿の表彰台に上がった。予選4位につけていた小林(3位のバトンのペナルティ降格で実質3位)がジェンソン・バトンとの3位争いのバトルを制して実力でつかみ取った表彰台だ

 「実力」で3位表彰台をもぎとった。ゴール後、おとなしいといわれる日本の観客も大興奮。「カムイコール」がグランドスタンドにこだましたのは記憶に新しい。

【2013 スズカサーキットは世界遺産にするべきだ!? GP】

→2013年は日本人レギュラードライバーの参戦がなく、日本グランプリの観客動員数はめっきり減ってしまった。開催権料の高騰や、不況などさまざまな要因で「2013年が最後の日本グランプリか!?」とウワサが立っていた。そんな心配は杞憂に終わったが、なぜか2013年の鈴鹿には「称賛」が溢れていた(編集部)。

 前年の小林可夢偉の快走むなしく、12年ぶりの日本人ドライバー不在の日本GPとなってしまった。観客数もさらに減少。レース展開としてもセバスチャン・ベッテルの独走に近く、盛り上がりには欠けたレースだったのかもしれない。

F1新時代の到来を予感させたレッドブルとベッテルの躍進。鈴鹿を走れる喜びを多くのドライバーが噛みしめてくれた年でもあった
F1新時代の到来を予感させたレッドブルとベッテル(中央)の躍進。鈴鹿を走れる喜びを多くのドライバーが噛みしめてくれた年でもあった

 しかし、今後の日本GP開催を危ぶんだわけではないだろうが、「スズカ・サイコー!」とコメントするドライバーが続出したのがこのGPだった。

「自然の起伏を利用した、魅力的なコース」
「ドライバーとして挑戦しがいがあるコーナーばかり」
「神の手によって作られたようなコースだ!」
「子供のころセナやプロストが闘ったこのコースを自分が走れるなんてアンビリーバボー」
「ラスト一周、トップで走っていたけど、まだまだ走り続けたくて残念だったよ」
「スズカの観客は温かく、礼儀正しくて最高だ」・・・・

 と、セバスチャン・ベッテル、ルイス・ハミルトン、キミ・ライコネンなどの名ドライバーたちが大絶賛の超べた褒め。いやはや、四半世紀以上続くとやはり伝説が伝説を呼ぶわけだね。

 確かにお子さんやお孫さん連れのお客さんの姿も目立つようになってきているから、当然といえば当然か。暑からず寒からず、絶好の季節に行われる日本GP。

 客が減った?いやいや、この国で10万人以上が訪れるスポーツイベントが他にいくつあるだろうか?

コースオフィシャルをはじめすべてのスタッフがF1を開催できることを誇りに思っているのが鈴鹿だ。みんなで楽しもう、そんな雰囲気がスタッフからも漂っている
コースオフィシャルをはじめすべてのスタッフがF1を開催できることを誇りに思っているのが鈴鹿だ。みんなで楽しもう、そんな雰囲気がスタッフからも漂っている

 我々レースファンにはこの素晴らしい世界的なレースを永久に?残していく使命があると思う。

 よーし、こうなったら、イケノヒラも車イスに頼る年齢になっても、たとえベットで寝たきりになっても、死ぬまで日本GPに通い続けるぞ!

 今年の日本GPは、10月5日から7日まで。皆さんスズカでお会いしましょう!

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