レッドブル・ホンダの勝算と優勝の“現実味”
こう考えると2019年のF1開発でのレッドブルの勝算は高くなる。
2018年にレッドブルが挙げた「4勝」という数字は、今シーズンのレッドブル・ホンダにとっても極めて現実味のある目標となってくる。
もちろん勝負は水物、確実なことは誰にもわかりはしないが、この数字がスタートラインと考えても決して過度な期待ではないはずだ。
もしも、レッドブル・ホンダ軍団にネガティブ要素があるとするなら、おそらくそれはドライバーかもしれない。
マックス・フェルスタッペンは、猛烈に速く才能のあるトップドライバーで、もちろんレッドブル系チームでは最強のドライバーだが、昨年フェルスタッペンが関わったアクシデントのおかげで優勝や大量のポイントを失っている。
フェルスタッペンはもはや新人ではない。すでにF1界では立派なキャリアを作り上げている。しかし過去3年間、彼のアクシデントのほぼ全てが、彼の強引さや不注意が関わってしまっている。
実際の裁定で彼に非がないとされても、この部分が矯正されなければ、失うものは極めて大きい。フェルスタッペンは間違いなく次世代チャンピオンの資質を持っているのだが、まだやんちゃで若い彼が、今シーズン中に育つかどうか。それはレッドブル・ホンダが表彰台の真ん中に立てるかどうかともシンクロする。
全てが上手く運べば、優勝の敷居はもはや高くはない。レッドブル・ホンダにとっては昨年の「21戦中4勝」がスタートライン。これは“超えて当然”の最初のハードルと言えるだろう。
強豪チームとの「対等」な関係に新たな機運
レッドブルは常に優勝至上主義、トロロッソと同列には語れない。常に進歩と向上が要求され、結果を求められる。したがってレッドブルからの強いプレッシャーがあるはずで、この“上から目線でのプレッシャー”をどう処理するか、処理できるか……。これが重要な要素で、マクラーレン・ホンダ時代はこのプレッシャーに潰されてきた。
しかし、その経験は確実に役立っているようで、ホンダがついに“ホンダ目線での要求”をチーム側に突きつけられるようになったという。
実際、レッドブルのメンバーは「我々からのプレッシャーなど問題じゃない、なぜなら今レッドブルの方がホンダからの強烈なプレッシャーを感じているのだ」と言う。
ピリピリとした今シーズンのレッドブル、久々にチームと対等の立場に立てたホンダ、戦闘体勢は間違いなく整っている。
■2019年のF1日程
第1戦:オーストラリアGP/3月17日
第2戦:バーレーンGP/4月1日
第3戦:中国GP/4月14日
第4戦:アゼルバイジャンGP/4月28日
第5戦:スペインGP/5月12日
第6戦:モナコGP/5月26日
第7戦:カナダGP/6月10日
第8戦:フランスGP/6月23日
第9戦:オーストリアGP/6月30日
第10戦:イギリスGP/7月14日
第11戦:ドイツGP/7月28日
第12戦:ハンガリーGP/8月4日
第13戦:ベルギーGP/9月1日
第14戦:イタリアGP/9月8日
第15戦:シンガポールGP/9月22日
第16戦:ロシアGP/9月29日
第17戦:日本GP/10月13日
第18戦:メキシコGP/10月27日
第19戦:アメリカGP/11月3日
第20戦:ブラジルGP/11月17日
第21戦:アブダビGP/12月1日
※全21戦。日付は決勝日(現地時間)
★ホンダPU搭載チームとドライバー
・レッドブル/マックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリー
・トロロッソ/アレクサンダー・アルボン、ダニール・クビアト
※2チーム、4台にパワーユニットを供給
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