スーパーGT GT300クラスに参戦中のKONDOレーシング56号車「リアライズ日産自動車大学校GT-R」。2022年のGT300王者だが第3戦終了時点でランキングトップ。得意とする富士スピードウェイで開催された第4戦での走りっぷりを速報でお届けしよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部(塩川雅人)
■90kgのウェイトハンディを受け入れた戦略
56号車の快進撃はご存知のとおりだが、今季のドライバーでるJ.P.オリベイラ選手、そして名取鉄平選手のタッグは非常に強力だ。すでに90kgのウェイトハンディを積んでいる56号車だが、予選は手堅くまとめて10位。
「なんだ10位か」と思うなかれ。90kgの重りが搭載されればパワーも犠牲になるし、運動性能だって大きく変わってくる。重量を搭載したケースでの走りを徹底して、ストラテジーを組んでいた。
予選後に名取選手は「ロングは絶対に速い。10位からであればいくらでもチャンスはありますよ」と自信ありげに語っていた。もちろん予選10位は想定内の順位であり、ストラテジーとしてもかなり可能性を感じているものだったようだ。
■決勝は富士ウェザーで波乱の展開に
スタートは名取選手。その走りは毎戦安定感が増している様子で、コロコロと路面状況が変わる難しいコンディションだったがなんなく走りぬける。10位からのスタートだったが、予選日に語っていたようにやはりロングにはめっぽう強い。
タイヤの特性などもあるが、やはり淡々と決まったペースでマシンを走り続けさせるドライバーの技量も大きい。タイヤのパフォーマンスを最大に発揮するべきラップまでタイヤの摩耗を温存し、さらに燃費も考えつつギリギリの走りをする必要がある。
全体の52周目にピットイン。ドライバーはオリベイラ選手に代わる。給油とタイヤ交換を実施。この時点でレインタイヤでの走行だ。ざっくりとレースは1/2を消化した計算になるが、ドライとウェットが刻々と変わる状況でタイヤライフとの相談になる。
残り10周を切り続々とライバルがピットインでレインタイヤからスリックタイヤへとタイヤ交換を実施。ここで今回は大きなドラマが生まれた。56号車も少し遅れてピットイン。
ここからがまさに「オリベイラ劇場」。スリックのグリップを生かし着々と順位を上げていく。そしてファイナルラップ。最終コーナー付近でぐいぐいとジャンプアップし5位フィニッシュ。
ポイントランキングは2位となったが僅差。この粘り強さで着実に王座を狙いにいく!!
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