勝田貴元選手が3位、エバンス選手優勝とトヨタには申し分ない結果に終わったラリー・フィンランド。今回は特別な計らいもあってヘリでの取材も行ったが、そこで見えてきた日本が欧州に追いつくべきWRCを楽しむポイントをレポートしよう。
文・写真/ベストカーWeb編集部
■クルマより4倍以上速く移動できる!
「ハイ乗ってください。離陸します」。どこにでもある公園の広場から我々の乗るヘリはあっという間に空中に飛び立った。ラリー・フィンランドが開催されているユバスキュラの上空に舞い上がった取材機はSSに向かう。
ヘリを使うと言っても上空から見るわけではなく、見るのはあくまで地上から。クルマなら2時間、約70km離れたSSにヘリなら約25分で到着。SSの近くには離着陸ポイントがあり、クルマが路肩に停める感覚で着陸するとSSは目と鼻の先、50mほどしか離れていない。
見渡せば10機以上のヘリコプターが駐機している。VIPが所有するヘリかと思いきや多くはチャーター機だという。気になるお値段は1機1時間1000ユーロ(15万6000円)ほどだという。
なかなかのお値段と思うかもしれないが、我々のヘリはパイロットを含めて6人乗りだった。5人で割り勘なら1人3万1000円あまり。2時間1人6万円あまりでチャーターできれば、我々のように効率的に4つのSSを巡ることも可能だ。
クルマなら1つのSSしか見られないところを4つもSSが見られるなら5万円出しても見たいというファンは多く、実際VIPとは思えないフツーのラリー好きのおっちゃんたちもチャーターしていて「タカモト! アリガト。ウォ~」と我々日本人を歓迎してくれた。欧州においてはヘリコプターでの観戦はそれほど特別なことではないようだ。
もちろんSSまで10km以上歩いて観戦するのが王道かもしれないが、クルマのように渋滞もなく、ストレスなくヘリでの観戦も選択肢にあっていいと思う。上空から林や湖、丘といった地形がわかり、森の中をトレースされた道を知ることで、ラリーへの興味が深まっていく。
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