■次世代レーサーとしての活躍に期待
開幕戦を取材したメディアのほとんどは予選19位決勝17位の野田を「よくやった!」と褒め、将来のF1ドライバーとしてその才能に期待を寄せる記事があふれていた。
開幕前テストの後、「レースになったら2、3周で自滅するでしょ」と見ていた某チーム関係者は、野田がSF初戦を完走したことに驚きを隠さなかったが、野田がドライバーとしてまだ成長途上で、その才能の伸び代が未知数であることは誰の目にも疑いない。
性差を問わないカテゴリーへの挑戦を選ぶ潔さ、負けん気の強さも筆者が敬愛する選手の一人で米インディカーシリーズで優勝もし、現在はF1のテレビ解説者を務めるダニカ・パトリックを彷彿とさせて頼もしい。
そのダニカは現役時代、コース上では野郎を相手に何度もブチ抜くバトルを見せ、マシンを降りては自分にフザけた走りをみせたドライバーに容赦なく平手打ちをカマしていたが、サーキットを離れれば(活動資金稼ぎの一環である)ファッションモデルとしてエレガントに装い、頭脳のキレの良さを感じる発言と微笑で人々のハートを鷲掴みにする魅力的な人物として活動していた。
いまお世辞にも人気が高いとは言いがたいスーパーフォーミュラの、人気高揚に必要なものの一つが『日本のダニカ』になりうる存在で、その筆頭候補が野田なのだろう。
野田自身、自覚の有無はさておき、開幕戦前後のテレビ出演やフォーミュラEの物流スポンサーのアンバサダー就任、大学入学に欧州レースへの参戦など、まさに八面六臂の活動で注目度はさらに上昇、周囲の期待に応えつつある。
これで成績が伴えばまさに鬼に金棒となるはずで、その可能性を推し量る試金石となるのが第2戦オートポリスだ。
野田もF1を目指すと公言する選手の一人なら、SF2戦目だの初めてのコースだのといった甘えは許されない。数字の結果には現れずとも才能を感じさせる光る走りをレース関係者の前で披露しなければならない。
実力と人間的魅力を兼ね備える無二のレーシングドライバーとなるのか、話題先行のお客様扱いドライバーとなるのか。
周囲の期待を上回るような野田の活躍を祈っている。
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