■フルモデルチェンジなみの変更
2018年5月17日、マツダのコンパクトSUV「CX-3」がマイナーチェンジ(大幅変更)を実施した。
「なんだマイチェンか。テコ入れの改良かな」と思っていたら、届いたリリースを見てびっくり。1.5Lのディーゼルエンジン(SKYACTIV-D)が新開発の1.8Lディーゼルに置き換わっており(この1.8Lディーゼルユニットはこれが国内、海外含めて初搭載)、また夜間歩行者検知機能付きの衝突軽減ブレーキ(アドバンストSCBS)もマツダ車として初採用。そのほかダンパー、スタビライザー、コイルスプリング改良、G-ペダリングコントロールや電動パワステの制御最適化による操縦安定性の向上、サスペンション応答性向上、リアガラスの板厚を4mm厚くして遮音性向上などなど改良点は盛りだくさん。
簡単に言うと中身がめっちゃ変わってます。
外観デザインはラジエターグリル形状、LEDリアコンビ、アルミホイール変更と小規模なものにとどまっているので、パッと見は「おお、新型じゃないか」という印象はないが、上記のとおりパワーユニットや操縦安定性、安全装備の部分では大きく変更されているので、乗れば一発で違いがわかるレベル。
こういうところ、すごくマツダっぽい。
■兄貴分が優秀すぎるがゆえに……
そもそもマツダCX-3が属するコンパクトSUVは、世界的なブームとなっているクロスオーバーSUVのなかでも最も競争が激しいカテゴリー。なにしろ同クラスのトヨタC-HR、ホンダヴェゼルは月販販売台数トップ20の常連車種であり(3月はC-HRが8位1万990台、ヴェゼルが12位9030台)、いっぽうデミオベースのCX-3は2015年2月のデビュー以来、いわゆる「トップグループ」に入ることはできずにいて、この3月も2258台とトップ20からは漏れている。
なぜCX-3が苦戦しているかといえば、一番のポイントはすぐ上のクラスの(兄貴分である)CX-5が非常に割安かついいクルマであり、「CX-3を買うならCX-5にしようかな」というユーザーが多いことだろう。実際、CX-5は好調な販売を続けており、こちらの販売台数はライバルであるハリアーやエクストレイルに競り勝っている。
とはいえこうしたCX-3の状況はマツダも対策の必要性を感じていて、初代CX-3のデビュー以来(2015年2月)、毎年のように細かいテコ入れ(一部改良)を実施しており、今回の変更は4回目。
それでも販売は「悪くもなく、かといってよくもなく」という状況が続いてきた。
そこで今回、フルモデルチェンジにも近いマイナーチェンジを実施、本格的に商品力をあげ、トップグループ、特にC-HRやヴェゼルに対抗し、追いつき追い越すべし、という目論見がある。
走り、安全、内外装とまんべんなく手を入れてきたCX-3。果たして売れ行きやいかに。何より新型1.8Lディーゼルに早く試乗してみたい。
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