毎日新車ディーラーを回り、「生」の新型車情報を届けてくれる流通ジャーナリスト遠藤徹氏。今回は、トヨタアクアとヴィッツの世代交代を皮切りに、ホンダ・ヴェゼル&CR-Vのフルモデルチェンジ、マツダ デミオのマイナーチェンジ、ダイハツ111周年キャンペーン、スバル新型フォレスターの売れ行きなどなど、最新情報盛り沢山でお届けします!
文:遠藤徹
初出:『ベストカー』2018年8月10日号「遠藤徹の地獄耳スクープ」より
■世代交代はアクアが先か、それともヴィッツか?
コンパクトハッチのアクアとヴィッツがともに世代交代の時期を迎えています。現行モデルの登場はヴィッツが2010年12月、アクアが2011年12月ですから、それぞれ2019年か2020年に新型へと切り替わることが予想されます。
普通に考えると、モデルチェンジする順番はモデルの古いヴィッツが先になると思われますが、次期型についてはそれが逆になりそうです。
なお次期型(新型)ヴィッツは欧州販売名「ヤリス」に車名変更されるらしい、という情報も入ってきています。
今年の4月3日にアクア、5月31日にヴィッツがそれぞれ一部改良し、予防安全装備「トヨタセーフティセンス」の検知機能などを進化させました。次期型は新開発のプラットフォームを採用してパワートレインも全面一新し、燃費、走行性能の向上やクオリティアップを図る方向で開発を進めています。
■ホンダは2019年秋にヴェゼルを一新か?
ホンダの関係者によると、同社は2019年秋にもコンパクトSUVのヴェゼルをフルモデルチェンジする方向で開発を進めているようです。フィットファミリーのモデルはフィットを皮切りに世代交代をするのが慣例になっていますが、次期型ではヴェゼルが最初となりそうです。
ヴェゼルは、ライバルのトヨタC-HRが発売になってから、同クラスのトップブランドの地位を奪われ、2位のポジションに甘んじています。そのためフィットファミリーで先陣を切るフルモデルチェンジを実施し、人気回復を目指す狙いです。
次期モデルは新開発のプラットフォームを採用し、1.5Lガソリンのほか、従来の1モーター方式から2モーター方式に切り替えた1.5Lハイブリッドを搭載して、燃費&動力性能の両立を高いレベルで図る見込みです。
なお現行型は今秋には走りのポテンシャルアップを図った1.5Lターボ車を加え、商品ラインアップを強化する方針です。これらによってライバルのC-HRを凌ぎ、同クラスのトップセラー奪還を目指す構えです。
■新型CR-Vのライバルはハリアー&CX-8?
ホンダはこのほど、販売店の営業担当者向けに新型CR-Vの施設内試乗会と商品説明会を実施しました。
その時に乗り比べをしたライバルモデルは2列シート5人乗りがトヨタハリアー、3列シート7人乗りはマツダCX-8でした。2Lハイブリッド、1.5Lターボともライバルを凌ぐ、試乗感想を得られたといいます。
新型CR-Vは8月31日の販売開始を前に、7月末から事前の予約受付をスタートさせています。2Lハイブリッド、1.5Lターボとも2WDと4WDがあり、グレードは標準のGと上級のXという2タイプの設定。価格は300万~500万円程となる見込みです。当初の月販計画は2500台程度を予定しています。
■8月下旬にデミオを改良
マツダは8月下旬にデミオを一部改良する見込みで、ガソリンエンジンを1.3Lから1.5Lに変更します。
1.5Lガソリン車のグレード展開は1.3Lと同パターンで15C、15S、15Sツーリング、15SツーリングLパッケージの4つ。トランスミッションも6AT、5MTの組み合わせとなります。1.5L車の価格は左表のとおりで、MT車とAT車は同価格です。1.3L車に比べるとベーシックグレードのCとひとつ上のSは据え置きですが、ほかの上級タイプは10万円程度のアップとなります。
1.5Lクリーンディーゼル車は1万5000円の値上げになります。従来モデルは6月いっぱいで生産中止し、在庫一掃セールに入っています。改良モデルの事前予約もスタートしています。
■マツダの今後のニューモデル展開は?
2019年はアクセラが次世代環境技術「SKYACTIV-X」を導入した2Lガソリンエンジンを搭載してフルモデルチェンジします。次いで2020年にはデミオの世代交代があります。以降毎年1車種程度の新型車(フルモデルチェンジ)を投入する計画のようです。
アクセラ、デミオ以外のモデルは2020年までビッグマイナーチェンジ、通常マイナーチェンジ、一部改良などを組み合わせて、新型車投入ゼロの年がないように展開します。
■ダイハツは111周年キャンペーン実施で増販攻勢!
ダイハツは5月から9月末まで「111周年記念キャンペーン」を実施し、新車の増販攻勢を大々的に展開しています。
「111」にちなみ1.11%の残価設定クレジット(ワンダフルクレジット)、特別仕様車の11.1万円得、ナビの特別割引11.1万円引きなどを実施。特別低金利1.11%は小型車のトール、ブーンが対象です。ナビ割引の11.1万円引きはタントとウェイクが対象で、11.1万円得はトールの特別仕様車「GリミテッドSA2プレミアム」が対象となっています。
このほか、スマートアシスト車を残価設定クレジットで購入すると3万円分のオプションプレゼントを実施しています。そのためキャンペーン対象モデルの販売は、最近いずれも大幅な伸びで推移しています。
■新型フォレスターが好調な滑り出し
6月20日発表、7月19日から発売(アドバンスは9月14日)された新型フォレスターの販売が好調なスタートを切っています。
6月18日から開始された事前予約では、月販2500台の計画に対して6月末までには受注累計が2倍の5000台を突破したようです。納期は先行して発売する2.5L車が10月、遅れて投入するアドバンスは11月以降となっています。2Lハイブリッド搭載のアドバンスは、当初設定した販売構成比30%を10ポイント上回る40%に達しています。
ホンダが8月末に発表する新型CR-Vもフォレスターと同じ月販2500台の計画であり、両新型車は今後販売実績でデッドヒートを展開しそうな見込みとなっています。
■2019年はレクサスCT200hが世代交代へ
2019年の前半に、レクサスのコンパクトハッチであるCT200hが世代交代することが有力だと考えられます。
プリウスベースのハイブリッド専用モデルですが、次世代のプラットフォームに加えて、新開発のパワーユニットである2Lハイブリッドと4WD車を設定する方向で開発を進めている模様です。現行モデルは1.8Lハイブリッドで「CT200h」の名称にしています。それが2Lになると「CT220h」に変更される可能性があります。
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