■新型インサイト、今年12月に発表発売
2018年11月1日、ホンダが新型インサイトの外観デザインを公開した。
発表されたのはデザインと寸法のみで、価格は12月中の正式発表まで待つことになる。
寸法は全長4675×全幅1820×全高1410mmで、当サイト予想価格は320万〜360万円、全車1.5Lガソリンエンジン+2モーターのi-MMDハイブリッド。プリウスよりやや大きく高く、カムリよりやや小さく安い…といったポジションとなる。
このインサイトの発売計画が報じられた当初(約1年前)は、車名が「インサイト」であることもあり、「ホンダがプリウスに、三度目の真っ向勝負を挑むのか!!」と感激したものだが、しかし実際にはガチンコ対決とはならなそう。
月販目標台数は1500台程度に抑えられ、つまりは現行アコード(月間販売計画は250台)や現行CR-V(同1200台)と同じく、「もしかしたら売れるかもしれないので、日本でも販売してみます」というようなスタンスのモデルだということのようだ。
■そもそも今年は「谷間」の年
昨年(2017年)11月から今年(2018年)10月までの直近12カ月に国内投入されたホンダ車を調べてみたら、型式認定をともなう新型車(いわゆる「フルモデルチェンジ」)はN-VANとCR-Vしかない。
といってもN-VANは(月販目標3000台、10月の月販台数5523台とヒットモデルながらも)商用バンであり、かつN-BOXの派生車。いっぽうCR-VはCR-Vで2016年からアメリカで売っているクルマを日本にも導入した、という複雑な経緯のあるモデル。
つまり、この12カ月で純粋な登録車の新車は、日本では実質ゼロということになる。
たまたまこの12カ月がモデルチェンジの端境期だったということもあるだろう。マイナーチェンジやモデューロ仕様の新設定で商品力を上げているという反論があるのもわかる。しかし、12カ月間以上、実質ゼロというのは「いくらなんでも」ではないか。ホンダ自身「N-BOXが売れてるから、まぁいいか」と考えているのではないかとすら思ってしまう(なおホンダの日本における販売台数の約53%が軽自動車/台数ベース)。
海外市場で台数を稼げるホンダ本体はそれでいいのかもしれないが、新車不足のツケが回ってくるのは販売店。軽自動車頼みにも限界があるのではないだろうか。
EV航続距離が100kmを超えるクラリティPHEV(2018年7月追加設定)は技術的に見どころのあるクルマだが、588万600円という価格では量販は望めない。CR-Vも初期受注は好調なものの月販計画台数がわずか1200台ではヒット車として認知されるのは難しい。
これで今年(2018年)12月に発売するインサイトも「月販計画は1000台程度」となると、本格的な新車発表は、来年秋に予定している次期フィットまで待つことになる(後述)。
日産やマツダなどと並び、海外市場で利益をあげているメーカーが(経済規模が縮小傾向にある)日本市場への開発投資を削っていくのは、仕方がないとはいえ寂しい。
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