日産 パラメディック 進化の中身 20年ぶりに新型救急車発売!1450万円超!!

日産 パラメディック 進化の中身 20年ぶりに新型救急車発売!1450万円超!!

日々、街で見かける救急車はどんな車かご存じだろうか。乗用車や商用車に比べて取り上げられる機会は少なく、身近な半面、その中身は意外にも知られていないことが多い。

そして、このほど2018年11月26日に日産が、実に20年ぶりに高規格準拠救急車「パラメディック」をフルモデルチェンジし、納車が開始された。

そこで、新しい救急車の登場をきっかけに、身近だけどあまり知らない救急車について掘り下げてみたい。救急車は“普通の車”とあらゆる部分が差別化され、価格も特別。命を載せるプロの道具なのだ。

文:永田恵一
写真:NISSAN、TOYOTA、Adobe Stock


お値段1000万円超! 新型パラメディックはどこが特別?

新型パラメディック。ボディサイズは全長5330×全幅1880×全高2490mm。価格は1456万9200円

新型パラメディックの患者室内。リチウムイオンバッテリーにより大電力の医療機器の使用も可能に

今回のフルモデルチェンジで3代目となるパラメディックは、写真のとおり、NV350キャラバンのバンに設定されるスーパーロングボディ+ワイド幅&ハイルーフがベース。

しかし、新型パラメディックでは現場での救急対処のしやすさなども考慮し、全高がベース車に対し205mm高められた超ハイルーフボディとなる。また、スライドドアはベース車が左側のみなのに対し、新型パラメディックでは右側にも機材収納庫と併せて備えられており、一刻を争う現場で機材の出し入れがスムースにできるよう配慮されている。

パワートレーンは2.5Lガソリンに5速AT、4WDを組み合わせたものを使う。現場でのアイドリングの際の静粛性を重視してガソリンエンジンを選んだようだ。

患者さんが乗る“患者室”を見ると、ベース車の変更によりボディサイズを小さくしながら患者室は広くなっている点が目を引く(後述)。なお、乗車定員は救急隊員3名、付添3名を含む8人で、通路は400mm以上の幅が確保されており、2名の救急隊員が患者室をスムースに移動できるという。

患者室には観察モニター、除細動器、輸液ポンプ、人工呼吸器、電動吸引器といった各種医療資器材を機能的に配置される。さらに、電気自動車に注力する日産車らしく1.6kWhという大容量のリチウムイオンバッテリー(ハイブリッドカー用と比べても大きい部類)も備えられており、今まで使えなかった大電力を使う医療機器も使えるようになった。

駐車時や狭い道で大変役立つアラウンドビューモニターもオプション設定されており、価格は1456万9200円と公表されている。

価格は2倍!? 高規格救急車は普通の救急車とも違う!!

こちらはいすゞ エルフをベースとした高規格救急車、トライハート。路面からの衝撃を緩和するため、後輪にはエアサスペンションを採用している

簡単にいうと、通常の患者を病院に運ぶのが「救急車」、症状の重い患者に救命救急士が救命処置を施しながら病院に運べるのが「高規格救急車」である。

そのため搭載される機材は全く異なり、価格も2013年公表のトヨタのそれぞれハイエースをベースにした“普通の救急車”のトヨタ救急車が4WDで536万5000円だったに対し、“高規格救急車”のハイメディックは4WDで1105万6000円と倍の差額がある。

また、高規格救急車には2tトラックベースのものもあり、こちらはエアサスペンションとなる場合もある。

筆者の知人が救急車に乗る機会があり、「乗り心地が思いのほか悪くてビックリした」と言っていたが、普通の救急車と高規格救急車というクルマ自体の違いにより乗り心地も違うということは十分考えられる。

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