現行型の3代目パッソ/ブーンは2016年4月に登場し、2018年10月にマイチェンを受けたばかり。だがそのパッソ/ブーン、早くもフルモデルチェンジ情報と次期型のデザイン情報を掴んだので、ここで紹介したい。
次期型は「スモールカー革命」のポイントをふたつも持った意欲的なモデルになりそう。
文:ベストカー編集部
ベストカー2019年1月10日号より
■フォルクスワーゲンに対抗すべく今年登場
そもそもパッソ/ブーンは2004年に登場した初代、そして2010年に登場した2代目と、いずれもトヨタとダイハツの共同開発によって誕生したコンパクトカーのエントリーモデル。このうち、企画とマーケティングについてはトヨタが担当し、設計と生産などはダイハツが行っていた。
それが現行型になって、パッソはブーンのOEMモデルへと切り替わった。つまり、初代パッソ/ブーンのご先祖ともいえるストーリア/デュエットのような完全OEMモデルへと先祖返りしている。
パッソ/ブーンはモデルスパンが初代で5年半、2代目は約6年ということで、Aセグコンパクトのなかではロングライフ。現行型はまだ2年半が経過したばかりなのだが、次期型はこれまでのパッソ/ブーンとはうって変わってスタイリッシュなデザインを身に纏うことになる。このエクステリアはまさに「スモールカー革命」の名にふさわしいものだ。
具体的には、ひとつ上のクラスで2019年に登場を控えており、TNGAの流れを汲んだGA-Bプラットフォームを採用する次期型ヤリス(ヴィッツ)とプラットフォームを共用し、デザインテイストも色濃く受け継いだものになる。
上記予想CGを見てもらえればわかるとおり、フロントマスクは現行カローラスポーツにも通じる精悍な印象で、欧州モデルのような出で立ちとなっている。
現在、トヨタがAセグメントで販売しているモデルには、欧州でPSA(プジョー・シトロエン)との合弁会社であるチェコのTPCAが生産するアイゴ(プジョー108/シトロエンC1)が存在する。次期型パッソ/ブーンは、そのアイゴにも通じる先鋭的なイメージの外観になる。
これまでのパッソ/ブーンといえば、初代~現行型まで軽を含んだプラットフォームを流用していたため、どうしても「軽プラスα」といった感のあるAセグのボトムラインだった。しかし、次期型は質感を一気に上げてくる。
その背景にはVWコンパクト軍団の存在がある。
世界販売でトヨタのライバルとなるVWには、Cセグのゴルフを筆頭にBセグではポロ、そしてAセグではup!という旗艦モデルたちがズラリと揃っており、トヨタは常にこのカテゴリーでVW車を意識しているのだ。
これに対し、トヨタはゴルフ対抗としてカローラスポーツ、ポロ対抗として次期型ヤリス、そしてup!対抗としてこの次期型パッソ/ブーンを用意。A~CセグカテゴリーでのVW包囲網を強固に敷いていく構えだ。
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