■ひと回り大きくなって軽くなった新型
2019年9月3日、かねてより欧州公式サイトにて事前予告があったように、新型ジュークが英国、フランス、イタリア、スペインなど欧州各国で発表発売された。
新型ジュークの搭載ユニットは、1.0Lの3気筒ターボガソリンエンジン(117PS/200Nm)に6速MTと7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の組み合わせのみ。つまり欧州発表時点で(かねてより噂されていた)e-POWERユニットの搭載はなし。
(ロングドライブの機会が多い欧州では、もともと街乗りに有利なe-POWERは展開されておらず(ノートもセレナも未販売)、なのでこの新型ジュークにe-POWERが搭載されるかどうかは注目点のひとつであったが、発表時には未搭載、ということのようだ)
日産の発表によると、従来型ジュークよりも全長、全幅、全高を拡大し、室内空間をより広く快適なものとしながら車両重量を23kg軽量化しており、走行性能により磨きがかかったという。
先進安全技術「プロパイロット」を搭載しており、衝突軽減ブレーキや車線逸脱防止支援システムも装備する。
また、新たに「Nデザイングレードパッケージ」を設定し、ボディやルーフカラーの組合せやインテリアカラーの選択、またバンパーやサイドシル、さらには19インチアルミホイールの組合せを楽しむことが可能となっている。
欧州各国では新型の受注が始まっており、生産は(従来型の欧州仕様ジュークと同じく)英国サンダーランド工場で生産され、2019年11月末よりデリバリーが開始される。現時点で従来型(日本仕様では現行型)ジュークも併売されている。
■やれば売れるだろうに、なぜやらないのか
もともとジュークは、2010年2月に初代(日本仕様でいう現行型)が発表されたのはフランスで、同年6月に日本、9月に英国と北米市場で発表、というスケジュールで世界展開されている(欧州、オセアニア市場向けは英国生産、日本と北米仕様は日本生産)。
欧州市場では累計100万台以上販売しており、世界販売戦略を考えると欧州での先行販売やプロモーション展開は、当然だろう。
とはいえ、ここ日本市場ではトヨタC-HRやホンダヴェゼルがヒットしており、コンパクトSUVの需要は大きいにも関わらず、2010年6月の登場から9年フルモデルチェンジしていないジュークを「早くどうにかしてほしい…」という思いは強い。
ノート、セレナにe-POWERを追加して大ヒット作に育てた経験から、新型ジュークへの搭載も「やれば売れるのに、なぜやらないのか」と考えてしまうし、日本市場を軽視しているのでは…と考えてしまう。
海外市場に目を向けると、日産は魅力的なSUVを多くラインアップしている。今回ひと足先に欧州でデビューしたジュークだけでなく、キャシュカイやキックス、ムラーノなど、「これ日本で売ってくれないかな…」と思うモデルはたくさんある。
開発費をかけて日本仕様を仕立て、日本市場に投入しても、そのぶんの回収は難しいと考えているのであろうか。
日産広報部に、(欧州で先行発表された)新型ジュークについて「日本市場への投入予定はありませんか?」と問い合わせたところ、「将来の商品情報についてはコメントできません」とのことだった。
また、2019年9月上旬時点で、全国の日産ディーラーにも「新型ジュークの日本仕様販売予定」についての情報は入っていない。
ベストカーWebでは、ジュークの日本仕様発表は2020年4月以降。今年10月下旬開催の東京モーターショーで日本仕様の市販型が先行出展されるのでは(セレナe-POWERはこの方式だった)、と予想している。
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