CX-60やCX-80などの大型SUVを次々登場させているマツダ。しかし忘れてはいけないのが、マツダの屋台骨を支えるミドル&コンパクトサイズSUVだ。ここではそろそろ登場するであろう次期型マツダ CX-5の概要や登場時期を考察する。
※本稿は2025年2月のものです
文、予想CG:ベストカー編集部/写真:マツダ
初出:『ベストカー』2025年3月26日号
マツダの安定的成長に不可欠な「あのクルマ」
直近の2024年4〜12月決算で増収減益となったマツダ。北米市場ではCX-70&CX-90のラージ商品群と、トヨタのハイブリッドを新たに搭載したCX-50が好調で販売台数を増やしているが、新型コロナ後の競争激化でインセンティブ(販売奨励金)が増加して収益を圧迫。
そのほかの地域では欧州は微増だが、日本と中国が大きく販売台数を下げるなど波の大きい動きが続いており、結果として当期利益は前年同期比45%の減少となった。
日本では利益率の高いCX-60とCX-80が期待ほどには伸びておらず、成果を上げるのはこれからという状況。
もちろん商品力の高さには定評があり、今後伸びていくのは間違いないところだが、マツダが安定的に成長するためには【あのクルマ】の登場が欠かせない。マツダのグローバル販売台数の約25%を占めるCX-5である。
CX-5はSKYACTIVテクノロジーをフルに使った新型車として2012年に登場。新生マツダを象徴するクルマの一台として大ヒットし、2017年に2代目にフルモデルチェンジ。登場から8年を経た現在もこの2代目が売られているが、ついに2025年、待望の3代目が登場する。
次期CX-5への期待の大きさを裏付けるように、さまざまな噂が流れているが、発売が近づいてきたことでかなり情報が整理されてきた。ベストカーの独自調査で判明したことも含め、その実像に迫ってみたい。
まずは2.5LマイルドHEVで登場
次期CX-5は2025年秋に開催されるジャパンモビリティショーで国内初披露となるスケジュールが有力だ。その前に海外のなんらかのイベントで見せるのか、JMSが世界的にも初披露となるのかは不明だが、少なくとも日本初登場はこのタイミングとなりそうだ。
毛籠勝弘社長が次期CX-5に初の自社製ストロングハイブリッドを搭載すると明言しているのは有名な話だが、こちらは年内には間に合わず、一年ほど遅れて2026年の秋〜冬の登場になるという情報だ。
では、最初にどんなパワーユニットで登場するかというと、2024年夏に欧州仕様のCX-30とMAZDA3に新搭載したe-SKYACTIV G 2.5となる。
それまでの2Lに替わって新採用された4気筒、2.5Lの24Vマイルドハイブリッドで、CX-30とMAZDA3では140ps/238Nm(24.3kgm)のスペックとなっている。
現行の欧州排ガス規制ユーロ6に対応しているエンジンで、CX-30の燃費性能は15.2〜16.7km/L。おそらく次期CX-5の燃費もそのあたりの数値となるだろう。
2.5Lで140ps/24.3kgmというのは控えめなスペックに見えるかもしれないが、ドライバビリティと燃費性能のバランスを追求した結果の数字。これみよがしの数字を追わないのがマツダ流で、発進時、加速時のモーターアシストとともにスムーズな走りを実現してくれるだろう。
トランスミッションはCX-60、CX-80用の8速ATを横置きエンジンに積むのはスペース的に難しく、既存の6速ATか、あるいはまったく別の多段ATを用意する可能性もある。MTもほしいところだが、採用の可能性は低いだろう。
デザインはキープコンセプトながら全体的に洗練されたイメージという情報。ボディサイズは現行型より少し大きくなるが肥大化はせず、全長4600×全幅 1850×全高1700mm前後となりそうだ。
また、マツダはSKYACTIV-Zと呼ばれる4気筒2.5Lの新エンジンも開発中で、2027年の市場投入を目指している。
理論空燃比のラムダワン(λ-1)燃焼を使いながらスーパーリーンバーン(希薄燃焼)を実現し、高い熱効率を達成するというもので、SKYACTIV-XのSPCCI(火花点火制御圧縮着火技術)も継承。
厳しい排ガス規制で知られる、欧州の「ユーロ7」や米国の「LEV4」「Tier4」にも適合する。2027年には、CX-5にもこの画期的な新エンジンが搭載される可能性ももちろんある。
コメント
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フルモデルチェンジではなく、ビッグマイナーチェンジという話が出てきて心配してます。
ビッグと名乗ろうと車体や駆動系、コンポーネントがただでさえ旧式なのに、更に昔のまま使い続けるなんて
MAZDAの目指す質こ高さや上級感のためには、どうにかしてマイチェンは回避して欲しい