NISMOと言えばまさに日産の十八番と言える。ここではそんなNISMOから、ガソリンスポーツカーのフェアレディZ NISMOと電気自動車のアリアNISMOの2台を用意しゼロヨン対決を敢行する。どちらも凄まじい加速を魅せてくれるが、一体どちらが速いのか?
※本稿は2024年8月のものです
文:ベストカー編集部/撮影:奥隅圭之/写真:日産
初出:『ベストカー』2024年9月26日号
■ガソリンエンジン対BEVの異種格闘技!
フェアレディZ NISMOとアリアNISMO。日産のスポーツブランドのNISMOの名を冠したハイパフォーマンスモデルだ。
Z NISMOはV6、3Lツインターボの純内燃機関搭載車で、最高出力420ps/6400rpm、最大トルク53.0kgm/2000-5200rpm。一方アリアは純電気自動車で前後2基のモーターを搭載し、システム最高出力は435ps、最大トルクは61.2kgmを発揮する。
パワー、トルクともにアリアが勝るが、車重はZの1680kgに対しアリアは2220kgと540kg重い。パワーウエイトレシオはZの4.0kg/psに対しアリアは5.1kg/ps、トルクウエイトレシオはZの31.7kg/kgmに対しアリアは36.27kg/kgmとZが勝る。
が、アリアはBEVだ。“ドカン!”とトルクが立ち上がるモーター独特の発進加速は、純内燃機関のZを上回るのではないか?
【画像ギャラリー】Zの圧倒的加速が超絶魅力!! NISMOの名に恥じない2台 フェアレディZ NISMO vs アリア NISMOを隅々まで(24枚)画像ギャラリー■2台揃って“よーいドン”意外な結果に驚いた
あえてローンチコントロールを使用せず、左足ブレーキでスタンバイし、スタートの合図とともにアクセル全開でダッシュ。
テスト前の予想では、アリアがスタートダッシュで先行し、100m地点あたりからZが巻き返して先行する……というものだった。
が、スタートの合図とともに飛び出したのはZ。アリアはアクセルオンに対し一瞬の間をおいて鋭く加速をするのだが、最初のひと掻きでつけられた差を埋められないどころか、じわじわ差を広げられていく。
「Zは発進の瞬間からしっかりとトルクが出ていてグイと押し出してくれます。9速ATのつながりもよく、トルクバンドを外さないので加速が途切れません。速いです。
いっぽうアリアは発進時に敢えて“ドッカーン加速”を抑えた制御としているように感じました。走り出せばモーターならではの途切れのない加速で車速を伸ばしますが、やはり車重の重さは感じます。Zのほうが軽快に加速します」と鈴木利男氏。
両車ともに400m地点を少し過ぎて速度リミッターが作動。ゼロヨン、0-100km/hともにZがアリアを上回った。
●計測結果
・日産 フェアレディZ NISMO……12秒780
・日産 アリア NISMO……13秒324
■現代のスポーツモデルの動力性能は?
1990年代前半の280psスポーツモデル全盛期のゼロヨンテストでは、それまでの「国産車はゼロヨン14秒台」から一気に13秒台を通り越して12秒台後半の攻防で熱き闘いを繰り広げた。
1989年、R32型スカイラインGT-Rが12秒98をマークすると、翌年にはNSXが12秒73、GTOツインターボが12秒95をたたき出す。その後の1990年代中盤はランエボvsインプレッサが12秒台中盤の攻防で切磋琢磨。
2010年以降は400~600ps級の国産モンスターが登場し、ゼロヨンは12秒台前半から、さらに11秒台、10秒台へとタイムを縮める。Zやスープラは2ペダルATで12秒台をコンスタントに叩き出すのだから恐れ入る。
【画像ギャラリー】Zの圧倒的加速が超絶魅力!! NISMOの名に恥じない2台 フェアレディZ NISMO vs アリア NISMOを隅々まで(24枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方シャシーの大切さが分かる結果ですね。アリアがスペック上は上回っていても、実際の走りはボディに左右される
それはRZ34 nismoが50馬力も低いGRスープラに負けていたり、400kgも重くて2t近いLCに肉薄されてることからも明白
日産もR34でR33より小型化しても重量は増えたのは、重さより剛性が大事だと解っていたから。ボディがスポーツカーの価値を決めます