異なる機能の融合で1台2役を実現!? 日野レンジャーベースの1台積み車両運搬車の特徴とは?

 吉橋自動車(千葉県八千代市)が導入した日野レンジャーベースの1台積み車両運搬車は、司工業が独自開発したスイングボディに、重機運搬車で定番のスライドボディの機構を合体させているのが特徴。一体なぜこのような仕組みになっているのか?

 製品特徴と製作の背景に迫った!

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2022年6月10日発売「フルロード」第45号より

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2つの機能を合体させて1台2役と短納期を実現

司工業が製作した1台積み車両運搬車

 吉橋自動車は、自動車の一般整備/車検整備をメインで行なう自動車整備会社。自社で整備を行なう自動車を運搬するため1台積み車両運搬車を保有しており、業務拡張のためクレーン付き中古シャシーを購入。長年、同シャシーに組み合わせるスライドボディをつくってくれる架装メーカーが探していたという。

 スライドボディはその名の通り、ボディを後方にスライドさせる機構を備えるトラックボディで、1台積み車両運搬車や重機運搬車では定番中の定番。人気の高さに比例して納期も長く、吉橋自動車も架装メーカー探しに苦労していたが、顧客の紹介で司工業とマッチング。

 今回は短納期を実現するため、司工業が提案したスイングボディとスライドボディの機構を合体した1台積み車両運搬車をオーダーしたという。

 司工業は東京都江戸川区に本社、千葉県佐倉市に工場を構える架装メーカーで、平ボディ、重機運搬車、木材チップ運搬車、航空貨物運搬車など、幅広いトラックボディの製作を行なっており、近年は平ボディの需要が下がりつつある中、重機運搬車に力を入れているという。

 同社の重機運搬車のラインナップは、スイングボディ、スライドボディ、テールオートの大きく3タイプ。このうちスイングボディは、同社が2017年に独自開発したもので、荷台前方を油圧シリンダーで持ち上げて傾斜させることで、後方に広い作業スペースがなくても重機の積み降ろしが可能なクルマ。

 テールオートは、シャシーフレーム後端部を切断して専用ブラケットを装着。専用ブラケットの内側に仕込んである油圧シリンダーを伸び縮みさせることで、荷台の後端部をポキっと折り曲げるクルマ。同機構とスイングボディの機構を組み合わせた「スイングPlus」も存在する。

 今回の1台積み車両運搬車は、このうちスイングボディとスライドボディの機構を組み合わせたもの。同社の従来のスライドボディは協力工場とのタイアップ製品で、納期も他社と同様の4〜5年だったが、今回は短納期を実現するべくスライドボディ機構の内製化に挑戦。2つの機構を組み合わせることで1台2役を実現するとともに、短納期も実現した。

ほとんどの乗用車が収まる荷台寸法

 ベース車両は、吉橋自動車が用意した先代日野レンジャーFD系4×2シャシー。目標スペックは、ほとんどの乗用車が収まる内法長5500mm以上と内法幅2200mm以上で、登録は「車載専用車」として行なう。

 車載専用車とは、自動車以外のモノが容易に積めない荷台構造や、サイドアオリの高さ150mm以下といった要件を満たすことで、リアオーバーハングの長さがホイールベースの2/3まで認められるもの。一般用登録だと1/2までしか認められないので、荷台の長さが若干短くなる。

 荷台は3方開で、床は車載専用車の構造要件に合わせた仕様。取材は車検前だったため荷台寸法は仮計測だが、目標の内法長5500mm以上と内法幅2200mm以上を確保。「鳥居」と呼ばれる前壁は4カ所の収納スペースを備え、ショルダー部にLED作業ランプも備える。

 荷役時に歩み板(スロープ)として使用するテールゲートはサビに強いステンレス製で、高さ(長さ)1600mm。開閉機構は油圧式だ。床面地上高は1070mmで、荷台傾斜角はスイング時13.5度、スイング&スライド時10度となっている。

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