付いて回る「女だから」 男社会の中での葛藤
同じことをしていても「女の子は良いね」って言われるのが当時は嫌で嫌で、言っている人に悪意が無いのはわかっているのですが、たぶん自分が女であること自体がコンプレックスだったみたいです。
私はこの仕事が好きで、ただみんなと同じように仕事がしたいだけなのに、どこに行っても、誰と話しても「女だから」っていうのが付いてまわるのが悩みでした。本気で「オジサンになりたい!」なんて思っていました。いま思い返せば、バカヤローですね(笑)。
仲の良い先輩に相談したら、「別にいいじゃん。『女の子は良いねー』って言われたら、『良いでしょー』って自慢すれば?」って言ってくれたけど、当時の余裕のない私には、それがどうしてもできませんでした。本当、何をそんなにムキになっていたのか、自分でもわからないくらい必死に「打倒、男!!」みたいな感じで仕事をしていました。
男の人が「キツイ」って言っている仕事を、自分から買って出て、「女の私でもちゃんとできますけど? 女だから無理とかありませんけど?」みたいな無言のアピールをしていた気がします。
トラックの整備も、オイル交換も、タイヤ交換も、床板の張り替えなども、休みの日に出て来て、やり方を教えてもらって自分でするようになって、そこまで行くと何十年もいる大ベテランさんなどは「頑張っているね」と見守ってくれるんですが、3~5年くらいの近い先輩からしたら生意気に見えるらしいんです。でも誰が見ても、生意気な嫌な女ですよね(笑)。
そんなだったので普通に生活していたらなかなか体験できない、昔のテレビに出てくるような陰険なイジメにもあいました。
荷物にシートを掛けて積み置きしていたら、シートがカッターで何カ所も切られていたり、タイムカードに新聞や雑誌の文字を切りぬいて「早く辞めろ」みたいないろいろな文句が書いてあるお手紙をもらったり、デタラメなうわさ話を流されたり、絵にかいたようなベタなイジメ(笑)。
放っておけばいいことなのに、当時は悩みました。会社に相談したら今度は「自作自演だ」って陰で言われて、またその言葉に反応して悩んで悩んで……。自分でも「面倒くさい奴だったなー」と反省しています。
(後編につづく)
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