車種ラインアップからファミリーカーの定番となっているミニバンを廃止するいっぽうで、3列シートSUVブームを巻き起こしたマツダ。そのブームの火付け役となったのが、2017年12月に販売開始された「CX-8」だ。
「CX-5」のボディを延長して3列シートをレイアウトしたモデルと思われがちだが、それは誤り。北米市場に投入されている上級モデルの「CX-9」を日本市場に合わせてボディをナロー化そして補強を加えているゴージャスな仕様なのである。
今回は登場から約2年半が経過した、3列シートSUVのヒットモデル「CX-8」の最新中古車事情に迫る。
文/萩原文博
写真/MAZDA、編集部
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■頻繁にアップデート 特別仕様車も多数発売
CX-8に限らず、マツダ車は年次改良と言って毎年車両を進化さえているのが特徴だ。しかし、頻繁にアップデートされるため新車の買い時が難しくなるだけでなく、中古車相場の値落ちは大きくなるという副作用もある。
CX-8も2017年12月に登場して以降、2018年6月に従来の6人乗り仕様に加えて、7人乗りの本革シート仕様を設定。そして2018年10月には、当初、2.2L直列4気筒ディーゼルターボだけだったが、2.5L直列4気筒自然吸気そして2.5L直列4気筒ターボを追加。また、ディーゼルエンジン搭載車の駆動方式を4WDのみにするなどラインナップの拡充が行われている。
さらに、2019年1月に一部改良を行い、4WD車に悪路からのダッシュをスムーズに行う、オフロード・トラクション・アシストを採用。センターディスプレイのサイズが7インチから8インチへ拡大。駆動方式では2.5L自然吸気車に4WD、2.5Lターボ車に2WD車を追加するいっぽうで、ディーゼル車のエントリーグレードであるXDを廃止した。
このように改良が加えられるのと同時に、2019年10月には、「25T」と「XD」に「エクスクルーシブモッズ」という特別仕様車を設定。2020年4月には「100周年記念車」、5月には「スマートエディション」と立て続けに特別設定が設定されたばかりだ。それでは、CX-8の中古車相場の状況を見てみよう。
■中心はディーゼルモデル ガソリンモデルは数は少ないが魅力高し
CX-8の中古車の流通台数は現在、約360台。需要期直後の2020年4月の時点では約450台流通していたので、2割も流通台数が減少している。
中古車の平均走行距離は3カ月前の時点が約9000kmで、現在は約7000kmまで減少している。その動きにリンクするかのように、平均価格は3カ月前の約336万円から約344万円と8万円の値上がりを記録。これは、市場から価格の安い中古車が市場から姿を消したことを示している。
平均価格の推移を1年という長いスパンで見てみると、2019年8月時点のCX-8の中古車の平均価格は約360万円。消費税の増税が行われた10月に直近の最高価格約368万円を記録し、その後は2020年5月までは順調に値落ちし、最安値の約336万円となった。その後ここを底値に値上がり基調となっているのだ。
この値上がり傾向は当面続きそうな気配である。年式ごとの平均価格の動きを見てみると、最も流通台数の多い2017年~2018年10月の一部改良前までがこの3カ月間約323万円で横ばい、2018年10月~2019年10月までの一部改良までのモデルが約348万から約344万円へとわずかな値落ち。
2019年10月から2020年式は、約403万から約396万円と7万円の値落ちを記録しているが、この2019年10月以降の新しいモデルのみ流通台数が増えているという状況なのだ。
現在360台流通しているCX-8の中古車だが、価格帯は約238万~約529万円とかなり幅広くなっている。中古車のグレード構成を見てみると、やはりデビュー当初から販売されているディーゼルエンジン搭載車が圧倒的。
最も多いのが「XD Lパッケージ」の約82台。続いて「XD Lパッケージ 4WD」が約68台。そして約65台の僅差で「XD プロアクティブ」が続いている。特別仕様車の「エクスクルーシブモッズ」もディーゼルエンジン搭載車のみ中古車が流通しておりCX-8の中古車を購入するのであればやはりディーゼル車が中心だ。
追加された2.5L自然吸気エンジンの「プロアクティブ 2WD」が約16台で、価格帯は約239万~約340万円。2.5Lターボエンジンを搭載した「25T プロアクティブ 4WD」は約15台で約280万~約350万円だ。
一方の流通台数が豊富な「XD Lパッケージ」の価格帯は約294万~約425万円、中間グレードの「XDプロアクティブ」の価格帯は約238万~約450万円となっている。
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こうして見ると、2.2ディーゼルターボエンジン搭載車は台数が多いものの値落ちは鈍い。逆に2018年に追加され、年式が新しいにもかかわらず2.5Lガソリン車の値落ちは順調だ。
ロングドライブが多いという人は軽油の経済性の高さは外せないが、チョイ乗りが多い人には軽快な吹け上がりのガソリンエンジン特にターボ車は駆動方式が4WDなので、隠れたオススメグレードなのだ。ただし、流通台数が少ないのがネックだ。
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