これまで登場してきたクルマたちを振り返ると、見た目は普通なベース車然としているのに、中身と走りは過激または快速仕様というモデルが生み出されている。
今回は自他ともに認める本格的なスポーツカーではなく、羊の皮をかぶった狼的な並々ならぬ走りへのこだわりを見せたスポーツモデルのなかから、超個性的なモデル10台を選出し、ランキングした!
日本だからこそ生まれた、ギャップに惚れるクルマたちをご覧いただきたい。
※本稿は2020年7月のものです
文:片岡英明
写真:NISSAN、HONDA、TOYOTA、SUBARU、MAZDA、ISUZU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年8月10日号
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■見た目はフツーで走れば快速!! そのギャップこそが最大の魅力
さりげない外観で高性能なスポーツモデルを表す「羊の皮を被った狼」という言葉は第2回日本グランプリで活躍した「スカイラインGT」、のちのGT-Bから使われた。この手のクルマの代表に挙げられるのがR33型GT-Rのメカニズムをワゴンボディに押し込んだ日産「ステージア」の「オーテックバージョン260RS」だ。
2.6Lの直列6気筒DOHCツインターボはパワフルで、その気になれば600psまでパワーアップすることも難しくない。4輪マルチリンクに電動スーパーHICAS、そして電子制御トルクスプリット4WDだから路面にかかわらず速い走りを見せつける。
1995年にホンダは刺激的な走りの高性能セダンを「インテグラ」に加えた。「タイプR」だ。徹底的にチューンした1.8LのDOHC・VTECエンジンを積み、ボディやサスペンションも強化している。驚くほどクイックで、正確なハンドリングに魅せられた。
ニシボリックサスペンションで異次元のコーナリングを見せた、いすゞ「最終型ジェミニ」の「イルムシャーR」もパンチの効いた走りを楽しめる。ラリーでの勝利を目的に、日産「8代目ブルーバード」に設定された「SSS-R」も操る楽しさに満ちた高性能セダンだった。
スバル「レガシィ」を越えようと意気込んだのか、2000年以降はワゴンのホットモデルが多い。トヨタはFRの「アルテッツァジータ」に6速MTを設定したし、「カルディナ」には「セリカGT-FOUR」のメカニズムを移植し、痛快で吸い付くような走りを見せている。
ワゴンといえば、三菱「ランサーエボリューション」ベースのワゴンも俊足だった。ミニバンではターボで武装した「MPV 23T」が鋭い走りを見せた。
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