80スープラ 相場400万円の世界 あの頃の憧れを手に入れるには?

80スープラ専門店に徹底取材!

千葉県浦安市にあるキングバイヤー浦安店に取材に訪れた
千葉県浦安市にあるキングバイヤー浦安店に取材に訪れた

キングバイヤー浦安店のホームページ

 そんな80スープラをもしもこれから買うとしたら、どんな年式やグレードを、どういった点に注意しながら買えばいいのだろうか? 

 20年以上前から80スープラを販売し続けているスポーツカー専門店『キングバイヤー浦安店』店長の刈谷康史さんに、80スープラの中古車に関する“正味のところ”を教えてもらった。

――ということで刈谷店長、最近の80スープラの相場はどうですか?

刈谷店長 相変わらず高いですね。もちろん最初の『ワイルド・スピード』のあたりからずっと高いわけですが、アメリカの25年ルールが初期年式に適用されるようになって以来、さらに相場が上がってしまいました。

 弊社も以前は常時20台から30台ぐらいの80スープラを在庫できていましたが、直近では残念ながら4〜5台しか置けていません。とにかくモノが少ないんですよ。

――全体的な相場としては、やはり「ターボが高くて、NA(自然吸気)が比較的安い」と思っていいんでしょうか?

刈谷店長 まぁそうですね。やはり「一番高いのはターボのMTで、安めなのはNAのAT」という傾向は確実にあります。しかし最近は、ターボとNAの価格差はやや小さくなってきています。

――ほう。それはどういった理由で?

刈谷店長 購入されるお客様の年齢層が変わってきてるんですよね。昔は、スポーツカーが大好きな若い方がお客様の中心でした。

 ターボの中古車価格も昔はせいぜい150万円とか200万円ぐらいでしたから、お若い方でも普通に買うことができたというのもあったでしょう。

 しかし今やターボですと300万円を下る物件はまず出てきませんので、お若い方にとってはやや難しい価格帯になってしまったんですよね。

――ふむう。

刈谷店長 それに対して比較的ご年配の方が、「昔憧れていた80スープラを今こそ!」的なニュアンスで買われるケースが最近は増えています。

 で、そういったご年齢の方ですと「もう爆走する年でもないし、街中を流すだけだから、ATでいいんですよ。

 この80スープラのカタチでさえあれば、ターボのMTじゃなくてもぜんぜんオッケーです」とお考えになる人も多い。

 そういうこともあってターボ+MTとNA+ATとの価格差は、昔ほどではなくなってきてるんです。

走行距離の少なさよりも程度重視で選ぶ

キングバイヤー浦安店の在庫車、1994年式前期RZ、MT、426.8万円、走行18.4万km
キングバイヤー浦安店の在庫車、1994年式前期RZ、MT、426.8万円、走行18.4万km

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――なるほど。私もひとりの中高年として非常によくわかる話です。ちなみに80スープラの中古車には、似たような年式・似たような走行距離の同グレードであっても、中古車価格がずいぶん違う2台があったりします。あれって結局、何が価格を分けているのですか?

刈谷店長 カスタマイズの良し悪しや、あるいは逆に希少なフルノーマルかどうかなども価格を分けますが、結局は「全体としての車両コンディション」ですよね。

 80スープラの場合はもはや年式も走行距離も価格にはさほど関係なくて、あくまで「コンディションの良し悪しで価格が決まる」という世界になっています。

――普通、中古車の値付けには年式や走行距離などの「スペック」が密接に関係していると思うのですが?

刈谷店長 もちろん80スープラでもそういった傾向がないわけではないのではありません。しかし、もはや距離や年式だけを“物差し”にするのは無理な年式になってるんですよ。

――そういうものですか?

刈谷店長 はい。例えばですが、走行距離が極端に少ない個体って、一見かなりいいように思えるかもしれませんが、実際は動かしていなかった期間が長かったために、再度動かすようになると急にオイル漏れが始まったり、硬化していたゴムブッシュが切れたり、機械の回転する軸部分がサビてダメになっていることも多いんです。

――うむう。そう言われてみると、確かにそうなのかもしれませんね。

刈谷店長 逆に通勤などで定期的に乗られていて、メンテナンスもマメに行われていた個体は、走行20万km超とかであっても非常に調子が良かったりします。

 また、以前は「後期のVVT-i((可変バルブタイミングリフト機構)化された年式じゃないとダメ!」みたいなこだわりをお持ちのお客様が多かったのですが、最近はそこにこだわるお客様はずいぶん減りました。

――それって「VVT-iが付いてトルクが46.0kgmになったけど“ボロい後期”より、多少トルクが低くても、しっかり整備されている“良質な前期”のほうがウケる」ということですよね?

刈谷店長 おっしゃるとおりです。VVT-iなどの細かい部分にこだわるのがナンセンスな年式になった……ということですね。

――改造についてはどうですか? 私は実はどちらかといえば輸入車系の仕事が専門で、輸入車だと、カスタマイズされた車両は低評価となるケースが多かったりするのですが?

刈谷店長 80スープラの場合は、適当ではないしっかりしたカスタマイズであれば、プラス評価になる場合が多いですね。

 ただアメリカでは、「純正部品がほとんど手に入らないから」という理由で、ノーマル車の人気が高いようですが。しかし日本国内では非ノーマル車であっても、ちゃんとしたモノでさえあればプラス評価です。

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