■ホンダ シティターボ
シティは「トールボーイ」デザインの高効率パッケージングを売りにするスモールカーだ。ターボ搭載車は1982年秋に登場した。
1.2Lの直列4気筒SOHC・CVCCエンジンにIHI製のターボと電子制御燃料噴射装置のPGM-FIを装着して100ps/15.0kgmを発生する。ドッカンターボで、軽量ボディを豪快に加速させた。が、剛性がなく、足もヤワだから冷や汗をかいたこともたびたびである。
1983年11月、「ブルドッグ」のニックネームを持つ精悍なシティターボ2に進化し、過給圧を上げて110ps/16.3kgmを絞り出す。熱ダレはなくなり、パワフルだが、じゃじゃ馬だ。暴れるステアリングを力でねじ伏せ、無理やり狙ったラインに持っていった。
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■トヨタ 2代目MR2
トヨタは1984年6月に、日本で初めてのミッドシップ・スポーツカー、MR2を発売した。車名は「ミッドシップ・ランナバウト・2シーター」の頭文字を取ったものだ。
エンジンは1.5Lの直列4気筒SOHCと1.6LのDOHCだ。86年夏にはDOHCにスーパーチャージャーを組み合わせ、痛快な走りに磨きをかけている。型式はAW11。
MR2は1989年10月にモデルチェンジし、2代目のSW20型となった。エンジンを2Lの3S-GE型直列4気筒DOHCとし、GTは225ps/31.0kgmのインタークーラーターボだ。
その初期モデルはじゃじゃ馬というより暴れ馬だった。ちょっとラフなアクセルワークを行うと、アッと言う間にクルマが横を向く。パワフルなだけに手を焼いた。
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■スズキ アルトワークス
1987年初頭に登場したアルトワークスは、刺激的なベビーギャングだった。わずか550ccの軽自動車だが、F5A型直列3気筒エンジンはDOHC4バルブ化され、これにインタークーラー付きターボを組み合わせている。
最高出力は64ps/7500rpmだ。タコメーターは1万2000回転まで刻まれ、アクセルを踏み込むとレッドゾーンの9500回転まで一気に駆け上がった。4000回転以下は元気がない。が、それを超えてからの加速は強烈だ。
アクセルを戻すとリリーフバルブの「プシューンッ」、という音も印象的だった。ハンドリングは軽快だが、シャシー剛性はそれなりだし、タイヤは145/65R13だからFFのワークスはパワーとトルクを持て余した。フルタイム4WDでもなだめるのは大変だが、運転は楽しかった。
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■ホンダ 1300
ホンダ初の小型乗用車が1969年5月に発売したホンダ1300だ。77と99が用意されているが、ホットバージョンは丸型ヘッドライトを採用した99である。
DDACと呼ぶユニークな一体式二重空冷構造の直列4気筒SOHCエンジンに、99はキャブを4連装した。最高出力は115ps/7500rpmである。リッターあたり出力はレーシングエンジン並みの88.6psだ。
が、パワフルなFF車だからアンダーステアが頑固で、アクセルを閉じるとタックインも強烈だった。タイヤも偏磨耗が激しかったから、じゃじゃ馬ぶりが際立っていたのである。
翌年に登場した1300クーペは少しよくなっていたが、それでもスリリングだ。この失敗を糧に、名車シビックが生まれた。
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