来年でランエボX発売から15年!! 最終モデルの中古は買い時になったか?

■中古車相場はじわじわと上昇中

 さて、そんな三菱 ランサーエボリューションの中古車は今、どんな状況になっているのか?

 まず全体の流通量は、大手中古車情報サイトによれば全国で約180台。5MT車とAT(SST)車の割合は、MTが約37%でATが約63%だ。

 中古車価格は、底値が約120万円で最高値が約700万円といったところ。ちなみに底値圏の個体は走行10万kmを大きく超えているAT車である場合がほとんどで、最高値圏の個体は走行数千kmか1万km台のMT車がその大半となる。

 こういった両極端な中古車ではなく「ちょうどいい感じのモノ」は、おおむね280万円から380万円ぐらいまでのゾーンに集中している走行5万km前後の物件。そのトランスミッションは、全体の比率と同じでAT(SST)車が多めではあるが、5MT車もまずまずの数が流通している。

 仮に「2010年式のGSR エボリューションX/5MT/車両価格350万円/走行6.0万km」という物件を「ちょうどいい感じのモノ(代表的な1台)」とするならば、新車時価格からわずか8%ほどしか値落ちしていないという計算になる。

 またここ1年ほどの相場は、専門店にヒアリングしたところによれば「急激に上がっているというほどではないが、じわじわ上がっている」という状況とのことだ。

■ランエボXの主要グレードと装備

写真はランサーエボリューションX GSRの5速MT車をベースに特別仕様を施したファイナルエディション
写真はランサーエボリューションX GSRの5速MT車をベースに特別仕様を施したファイナルエディション
ファイナルエディション(5MT)のコクピット
ファイナルエディション(5MT)のコクピット

 ちなみにランエボXの基本的なグレード構成は、

●RS:競技ベース車両。5MTのみ。
●GSR:基本装備充実の一般向けグレード。5MTとAT(SST)あり。
●GSR-Premium:GSRに、シートヒーター付きレザーRECAROシートやビルシュタイン製ショックアブソーバー+アイバッハ製スプリング、ブレンボ製2ピースタイプフロントブレーキなどを加えたプレミアムグレード。
●ファイナルエディション:前述した最終限定車。

 という3グレード+1限定車。

 そしてもっとも一般的なGSRには、パッケージオプションとして下記の3種も用意された。

●ハイパフォーマンスパッケージ:ビルシュタイン製ショックアブソーバーとアイバッハ製コイルスプリング、1個あたり1.3kgの軽量化となるブレンボ製2ピースタイプフロントブレーキ、剛性・グリップ性能を高めたハイパフォーマンスタイヤを採用。

●スタイリッシュエクステリア:フロントグリルとベルトラインのモールをメッキ化し、フードとフェンダーのアウトレットをボディ同色に。加えてフロントフォグランプの装着など。

●レザーコンビネーションインテリア:レザーコンビネーションシート(本革+グランリュクス)と、ソフトレザー(合成皮革)をあしらったドアトリムおよびフロアコンソールボックスリッド、アルミ製フロントスカッフプレートを採用。

■GSRをはじめ約180台が流通

2008年10月のマイナーチェンジでは新たに上級グレード、GSR-Premium(5MT/6AT)が追加された
2008年10月のマイナーチェンジでは新たに上級グレード、GSR-Premium(5MT/6AT)が追加された

 それぞれの2021年4月半ば時点での流通量は、おおむね下記のとおりである(●=5MT、◆=6速AT)。

●RS:約10台
●GSR(5MT):約30台
●GSR(5MT)ハイパフォーマンスパッケージ:5台
●GSR(5MT)スタイリッシュエクステリア:1台
●GSR(5MT)レザーコンビネーションインテリア:0台
●GSR-Premium(5MT):1台
●ファイナルエディション(5MT):約20台


◆GSR(6速AT):約70台
◆GSR(6速AT)ハイパフォーマンスパッケージ:約15台
◆GSR(6速AT)スタイリッシュエクステリア:約10台
◆GSR(6速AT)レザーコンビネーションインテリア:約5台
◆GSR-Premium(6速AT):約10台

 この流通状況から考えると、「6速AT(SST)のGSRを中心にチェックしつつ、そのほかのトランスミッションやパッケージオプションは『いい感じの個体がたまたま見つかればラッキー』ぐらいに考えておく」というのが、ランエボX中古車の現実的な探し方にはなるだろう。

 ただしランエボXの6速AT、というか2ペダルMTであるTC-SSTは、扱われ方によってはしばしば故障が発生し、その発生確率は「ファイナルエディションだから大丈夫」「走行距離が少ないから大丈夫」というものでもない模様。

 平成19年12月14日~平成20年5月27日に生産されたSST車はリコールが出されたが、その如何にかかわらず、ランエボXの中古車は「ちょっと割高かつ流通量少なめであっても、できれば5MT車を探す」というのが得策であるように思える。

 また同様に、AYCとアクティブセンターデフに油圧を供給するAWC用油圧ユニットの不具合も報告されており、三菱自動車はその保証期間を「新車時から8年」に延長した。

 しかしランエボXの場合、今となっては8年落ち以上の中古車が流通大半であるため、ここについては「まだ保証期間内であるファイナルエディションを探す」か、もしくは「AWC用油圧ユニット交換歴の有無を整備記録簿で確認したうえで購入する」という姿勢が重要となるだろう。

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