■4代目グランドシビック 1987年9月~1991年8月
続いては、1987年9月~1991年8月まで販売された4代目のグランドシビックだ。グランドシビックの開発コンセプトは、独自の発想と技術力を駆使して、今までにない高いレベルで人の感性に心地よくフィットする技術視点を注入。データや性能ではない、人間の感性を軸にした“性能としての爽快感”を目指した、人間と技術の融合である「ヒューマン・フィッティング・テクノロジー」だ。
このグランドシビックのコンセプトを改めて見てみると、使っている言葉こそ異なるが、現行型フィットの開発コンセプトに非常に似ていると感じた。グランドシビックが目指す「本当に気持ちのいい走りと乗り心地」を実現するために採用したのが、4輪ダブルウィッシュボーンサスペンション。
先代のワンダーシビックでは、フロントがトーションバー・ストラット式。リアはトレーリングリンク式だったが、グランドシビックではF-1でも採用されているダブルウィッシュボーンを採用。これにより、サスペンションの重要要素であるアライメント・コントロール・ファクターをそれぞれ独立して最適に設定できること。
そして、ダンパー/スプリング・ユニットを車輪の支持に使わずにすむため、フリクションがほとんどなく、ショックの吸収という本来の目的にのみ使えることなどのメリットがあるだけでなく、エンジンの性能を最大限に引きだしながら、俊敏で滑らかなハンドリングと安定感ある走り、そして引きしまったフラットな乗り心地を実現したのだ。
ボディも主要部材及び各部ピラーなど構成部の高強度化を図るとともに、一体化したモノコック(フレームボディ)構造とすることで、軽量化をはかりながらも剛性を向上させているのが特徴だ。友人が所有するグランドシビックを運転した時の、乗り心地の良さとスムーズなハンドリングそして高い静粛性が非常にうらやましかった。
搭載するエンジンは最高出力91psを発生する1.5L直列4気筒DOHCのシングルキャブ仕様。そして最高出力105ps(AT車は100ps)を発生する1.5L直列4気筒DOHCのダブルキャブ仕様。そして、最上級グレードのSiには最高出力130psを発生する1.6L直列4気筒DOHCエンジンを搭載していた。
外観デザインは、タイヤを4隅に配置し、安定感あふれるロー&ワイドボディ。さらに爽快感をもたらすグラッシーな気配キャビン(超広角視界=スーパー・ビジビリティ)や、心地よい乗り心地をもたらすために、“人にやさしく、爽快なパッケージング”を実現。その結果、空力性能にも優れたしなやかでふくよかな曲面構成を基調とする「フラッシュ&ブレンディ」と名づけるフォルムを創出した。
インテリアは超広角視界をはじめ、ゆるやかな曲面でつつみ込むフルソフトラップラウンド・インテリアにより、圧迫感の少ない室内空間を実現している。
そして、1989年9月には、リッター当たり100馬力を実現した1.6L直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載したSiRとSiR IIを設定。同時にフロント回りのバンパー、ボンネット、ヘッドライト、 フロントコンビランプを、リア回りは、バンパー、リアコンビ&リアパネルの形状を一新、より洗練されたスタイルしている。
現在、グランドシビックの中古車は9台流通していて、平均価格は約226.8万円。価格帯は約95万~約379万円となっている。そのうち1.6L、VTECを搭載したモデルは3台で、価格は約280万円~約379万円と新車時価格を大きく上回っている。
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