■激安でも見栄を張れる中古車(地主型)その1/トヨタセルシオ(3代目最終型) 中古車相場:30万~230万円
では、基本構造を理解したうえで具体例へと進もう。言わずとしれたトヨタセルシオの最終世代(2000~2006年)である。
「最終型とはいえ、セルシオはさすがに古すぎるだろ!」という声もあるかもしれないが、何をおっしゃる、この「古さ」こそがいいのだ。
「低品質な安物をひんぱんに買い替えるのではなく、高くても“いいモノ”を買い、長期にわたって使う」というのが、地主に代表される「ぽっと出ではない金持ち」に共通する生活様式。
その生活様式を逆手に取り、今や古くさいといえるセルシオの中古車をあえて購入するのだ。それにより、「……あの人、もしかしてこの辺り一帯の地主かな?」と勘違いさせるのだ。
だが注意点もある。
・買うならフルノーマルの一択。カスタムされたセルシオは、今やひたすら貧乏くさく見えると知るべし。
・購入後、ボディは専門店で磨き&コーティングを実施し、納車後もひんぱんな洗車を心がけること。薄汚れたセルシオは貧乏くさく見える。
・購入後、「やっぱりホイールを社外品の20インチに替えようかな?」などとはゆめゆめ思わないこと。
・購入後はスマートな安全運転に徹すること。セルシオでちょっとでもオラオラ運転をすると、印象年収は一気に300万円下がると知るべし。
■激安でも見栄を張れる中古車(地主型)その2/クラウンマジェスタ(5代目S200型) 中古車相場:50万~150万円
地主といえばクラウンである。これの次の6代目、要するに最終型のクラウンマジェスタ(2013~2018年)でもいいのだが、そちらは中古車相場が150万円~といささか高額(?)なので、この「最終型の1つ前のマジェスタ(2009~2013年)」でも十分と思われる。
グレードはなんでもいいが、とにかくセルシオと同じで「フルノーマル車」を探すのが地主型のキモだ。大径ホイールを履いていたり、エアロパーツを付けているマジェスタは(この場合は)絶対に選んではいけない。
その他の注意点も、セルシオのそれとまったく同じである。キレイで地味めな洋服を着ながら安全運転に徹すれば、「由緒正しい地主の4代目」ぐらいには見えるだろう。
「地主型」はほかにもクラウンロイヤルや初代レクサス LSなど、さまざまな候補がある。どれを選ぶかは好みの問題であり、注意点も最初に記した初代セルシオのそれとおおむね同じであるため、他候補の紹介は割愛する。
■激安でも見栄を張れる中古車(認知差型)その1/レクサスSC 中古車相場:80万~340万円
お次は「認知差型」の候補車種を見てみることにしよう。絶版となった最終型トヨタソアラの基本コンポーネンツを踏襲した、レクサスの4シーターオープン。電動開閉式のメタルトップは、壊れてなければ約30秒で開閉可能だ。
カーマニアに言わせれば「しょせんは10年以上前の元ソアラwww」であり、実際の中古車価格も約80万円~と、なかなかの激安である。
だが街を行く人の約8割から9割は、そんなことは一切知らない。
「内外装がキレイである」という条件付きではあるが、非カーマニアから見たレクサスSCとは「なんだか高級そうで派手なオープンカー」であり、「よく見るとLEXUSってエンブレムが付いてるね」であり、「レクサスってたしかアレよね? 日本で一番高級なクルマのブランドよね?」でしかないのだ。
レクサスSCの中古車に乗っていても地主には(たぶん)見えないが、一般の人の目には「ITか不動産か何かでけっこう稼いでる人」に見えるだろう。
地主型の中古セダンに乗る場合は「フルノーマル」がマストであり、乗車時の衣服も「地味なジャケット姿」などが推奨されるが、レクサスSCの場合は多少のカスタムも可であり、衣服が遊び人風であっても問題はない。
ただし、オラオラ運転をすると馬鹿に見えるので要注意だ。逆に、この派手なオープンカーに派手な格好で乗り込み、そのうえで超紳士的な運転を行えば、「あら、見かけによらずいい人ね!」というニュアンスで好感度は爆上がりするだろう。
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