■激安でも見栄を張れる中古車(認知差型)その2/メルセデス・ベンツSクラス(先代W222型)中古車相場:270万~1300万円
カーマニアと一般人の認知の差は、これこそが最大となる。2013年から、つい最近といえる2020年12月まで販売されていたメルセデス・ベンツの最上級クラスだ。
パワーユニットはさまざまなものが用意されたが、激安価格で狙えるS400ハイブリッドは3.5LガソリンV6+モーターである。
で、最近まで販売されていたベンツの最上級モデルだけあって、さすがに高い物件は高い。具体的には1000万円以上の中古車もザラである。
そんな「中古でも1000万円以上」というイメージはあるのだが、実際には総額300万円以下か300万円ちょいぐらいで狙えるW222型Sクラスもけっこう多い。
もちろん街を行く一般の人は、そんな中古車相場の現実など微塵もご存じないはず。
これまた「内外装をキレイにキープしておく」という条件付きではあるのだが、総額300万円ぐらいで買ったW222型Sクラスの前期型中古車も、「中古でも1000万円は下らない超高級車」と見てくれることは間違いない。
注意点は、これまで述べてきたことと同様に「フルノーマル車を探す」「ボディ磨きと洗車を怠らない」「オラオラ運転は絶対にしない」というのが中心となるが、Sクラスの場合はそれに加えて「壊れたときに修理代はめっちゃ高い」という注意点もある。
総額300万円で買える中古車であっても、もともとは1000万円超級の高級車。必然的にその部品代も超高額となるので、そこを不安に思う人はやめておいたほうがいいだろう。
■激安でも見栄を張れる中古車(認知差型)その3/ポルシェ 911(996型) 中古車相場:200万~500万円
伝統の空冷方式から水冷式へと生まれ変わった水平対向6気筒エンジンを搭載し、1998年から2004年にかけて販売されたポルシェ911である。
カーマニアに言わせれば「乗用車的で面白くない」「インタミ(インターミディエイトシャフト)の破損が怖すぎる」等々と、この世代の評価はハッキリ言って散々である。そのため中古車相場も、ポルシェ911としては破格に安い。
だがそんなことは、街を行く一般人には何の関係もないし、知識もない。
彼ら・彼女らにとっては996型であっても「ポルシェはポルシェ」であり、「詳しくは知らないけど、なんだかすごいらしいクルマ」なのだ。総額200万円で買った996型の中古車であっても、下手をすれば2000万円ぐらいのクルマだと誤認するかもしれない。
だがこれも、注意点がないわけではない。最安値の個体は200万円ぐらいでも買えるが、さすがにその価格帯の物件がボロいものが多いため、「高いクルマ・オーラ」は完全に消えているケースがほとんど。
またそういった価格で売られている個体はノーメンテのほったらかしで乗られていた個体である可能性が高いため、買った後にドツボにハマる可能性もきわめて高い。
そのため、もしも996型の911カレラを買うのであれば「車両価格300万円以上」をひとつの目安として、中古車を探してみることをお薦めする。
このほかでは先代のアウディA8(2010~2018年/中古車相場:150万円~)あたりも「認知差型」としての有力候補だが、認知差型の輸入車各モデルは「壊れたときに高くつく」という懸念点はあるため、万人向けとは言い難いのかもしれない。
だが、貴殿の心の中に「オレはどうしても金持ちに見られたいのだ!」という炎がボーボー燃え盛っているのであれば、挑戦してみる価値はある。
……貴殿らの健闘と幸運を祈ります!
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