ランクル70周年!ヨンマルことランクル40はまだ買える? もう買えない?

■フレームのサビには要注意!

鮮やかな原色のレッドやブルーは人気が高かった。写真は2ドアミドルホイールベース(2430mm)の1979年式BJ44V
鮮やかな原色のレッドやブルーは人気が高かった。写真は2ドアミドルホイールベース(2430mm)の1979年式BJ44V

――エンジン本体は特に心配はなし……と。それ以外の部分はどうですか?

五嶋さん やはりゴムを使っている部分の劣化はどうしても激しいですよね。車というのは随所にゴムが使われていますが、そのなかでも主要な部分と目立って劣化している部分は、ご購入時にしっかり交換する必要があります。あと40系で多いのはボディとフレームのサビですね。

――あ、そうか。やはりこのぐらいの年式だと、どうしてもサビの問題は付き物ですね……。

五嶋さん ボディのサビは、仮にレストアした個体であっても次から次へと発生してきます。その意味で、ボディのサビについては「それと付き合っていくしかない」というのが正直なところです。

 しかしフレームにサビが生じてしまっていると「付き合う以前の問題」になってしまいますので、そこは要注意ですね。

――具体的にフレームのどのあたりにサビが発生しやすいのでしょうか?

五嶋さん コンディションがきわめて悪い40系だと、右サイドフレームの内側がサビて、穴が空いてしまっているものが多いですね。

 そこにサビが集中する理由はわからないのですが、そこが腐っているともはや車として機能しませんので、右サイドフレーム内側のサビは必ずご確認いただきたいと思います。

ショートホイールベースの1974年式BJ40V
ショートホイールベースの1974年式BJ40V

――ううむ、了解です。そうやってチェックしながらランドクルーザー40系を買ったとして、その後の修理はどうなんでしょう? 純正部品はまだ供給されているんですか? トヨタが部品の復刻をするらしいですが、発売は来年ですし……。

五嶋さん さすがはランドクルーザーといいますか、純正部品はまだけっこう出ますよ。ただ、もちろん出ない部品もあります。ブレーキマスターなんかも欠品していまして、ぜひ復活させてほしいんですけどね。

――そういった「ない部品」についてはどう対処されているのですか?

五嶋さん そういった場合には現物部品の修理と、他車種用部品の流用で対応しています。40系の維持は「まるで現代のクルマのようにイージー」では決してありませんが、そのような対処もできますし、出る部品はまだ出ますので、さほどのご心配をいただく必要はないかと思いますよ。

■ディーゼル車は九都市県市は乗ることができない

1979年式BJ44V
1979年式BJ44V

――なるほどぉ……。でも大切な話として「九都府県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)では、条例により粒子状物質の排出基準を満たさないディーゼル車の運行が禁止されている」という問題がありましたね?

五嶋さん ありますね。その地域ではNOx・PM法と条例により、ディーゼルエンジンの40系は登録も乗り入れもできません。

――でもPM(粒子状物質)の除去装置を付けることで、なんとかならないものですか?

五嶋さん 結論として、規制地域で登録と乗り入れを可能にする対応もできます。ただ、それにはどうしても100万円を大きく超えるご予算が必要になってしまいますので、積極的にお薦めはしていませんね。

――なるほど、おおむね了解しました。100万円や200万円で買えるわけではないし、居住地域によってはディーゼル規制の問題もある。でも馬鹿みたいな相場高騰はまだ起きておらず、コツコツ直しながら乗ることも普通にできそうということで、ランクル40系に対しての興味がさらに湧いてきましたよ! 本日はお忙しいなかありがとうございました!

五嶋さん いえ、どういたしまして!


■ランドクルーザー40系の歴史年表

■1960年/ランクル20系の後継モデルとしてランクル40系が登場。20系のロングボディモデルに30系の名前が使用されていたため、40系となった。遅れて45(B)シリーズ登場。荷台の狭さが指摘されていたピックアップトラックとキャブシャシー用にホイールベースを2950mmとした45Bと呼ばれるスーパーロングが追加。ピックアップの型式はFJ45PからFJ45P(B)に切り替わる。
●発売当初の型式
FJ40:ショートの幌
FJ43:ミドルの幌
FJ45V:ロングのハードトップ

■1967年/55型の生産開始に伴い、4ドアステーションワゴンのFJ45Vが生産終了。同時にロングのホイールベースを2950mmへ統一、45(B)は再び45と呼ばれることになる。同じ型式で長さと形態が異なるモデルが混在するため、趣味上の分類としては1967年以前の45を初代、それ以降を2代目としている。

■1973年/日本国外向けのロングホイールベースモデルに直列6気筒3576cc、OHV、95psのH型ディーゼルエンジン搭載のHJ45を追加。ランクル史上初のディーゼルエンジンとなる(B型:水冷直列4気筒2977ccディーゼル)。

 FJ40(ショート)、FJ43(ミドル)、FJ55V(ロング)という形で40系と55系が並行して販売される。
●40系→70系(本格派クロカン四駆モデル)
●55系→60系→80系→100系→200系(乗り心地も意識した乗用スタイル四駆)

■1974年/ランクル史上初めてのディーゼルエンジン、B型(2代目)2997㏄ディーゼルを搭載したBJシリーズが発売。

 これ以降ディーゼルエンジンはランクルの主流になっていく。BJシリーズはそれまで1ナンバー登録だったランドクルーザーに誕生した初の4ナンバー車となる。型式はBJという名称が与えられ、ショートの幌BJ40、ハードトップのショートBJ40V、ミドルの幌BJ43をラインナップ。

■1975年/ワイパーがウインドシールド下側に移設され、ハードトップのドアを組み立て式サッシからフルプレスに変更、固定式であったリアクォーターウインドウを、引き違い式と後端フリップアウト式の2種類へ変更。

■1976年/アウターリアビューミラー(バックミラー)の位置がカウルサイドからドアに変更となり、国内ボンネット型車では初のドアミラー車となる(1980年には国内モデルのみフェンダーミラーへ戻された)

■1979年/日本国内のみ排ガス規制のため、B型エンジンをボアアップして2B型(水冷直列4気筒、3168cc)エンジンへと変更。型式もショートの幌BJ41、ハードトップのショートBJ41V、ミドルの幌BJ44に変更される。また、フロントディスクブレーキとリアのLSD、クーラーがオプションに設定される。

 ボディは大幅に設計変更され、大型プレス材を多用し、鋼板も薄くなる。ヘッドランプも法規制に合わせて感覚が広げられ、ラジエターグリルもオーバルから矩形になる。室内に置かれていた燃料タンクを室外の床下に設置し、65Lから95Lに拡大。

 増加の一途を辿る国内の一般ユーザーへの対策として、バンパーなどのメッキ加飾やトラック丸出しのリング式ながら白く塗られたホイールで差別化された外観と、室内には紅白のコントラストが鮮やかなファブリックシート、ドアトリムやフロアマットは明るい黄土色を採用したLパッケージが登場。

■1980年/ランクル60が登場。40系と並行して販売されることになった。エンジン、トランスミッション、サスペンション、ブレーキなどの主要部品が60系と共通化。

 ロングホイールベースのディーゼルエンジンをH型から直列6気筒3980ccの2H型と4気筒3431ccの3B型へ変更。60系と共通化され、それぞれHJ47、BJ45となる。4気筒エンジンのロングへの搭載は初。

 セミロングにハードトップの設定が追加(型式はBJ44V)。ステップの幅が広がり、乗降性が向上。オドメーターも5ケタから6ケタに変更される(10万km台も表示可能に)。

■1981年/インパネのデザインを変更し、センタークラスタータイプに。日本国内でもラジアルタイヤが選べるようになり、リアフェンダーにエクステンションが追加され全幅が増す。パワステとタコメーター、専用の室内トリムを装備した最上級グレードのLXが追加。

■1982年/日本国内は排ガス対策のため、2B型から3431ccの3B型へ変更。ショートとミドルの日本国外向けも含めた3B型エンジン搭載車の型式も変更された、型式はショートの幌BJ42、ショートのハードトップBJ42V、ミドルの幌BJ46、ミドルのハードトップBJ46V。また5速MTが追加され、LXパッケージに標準搭載。

■1984年11月/70系へフルモデルチェンジ、国内での生産を終了

【画像ギャラリー】祝ランクル70周年!! 丸目ライトが愛くるしいランクル40をギャラリーでチェック!!

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