最近、燃費ばかりを気にしすぎるあまり、直3や直4ばっかりで物足りなという人も多いハズ。やっぱり、大排気量のV8エンジンは超気持ちいい。時代に逆行するかもしれないが、大排気量V8のおススメ車を紹介していきたい。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、トヨタ、日産
■佐藤恒治新社長がチーフエンジニアを務めたLC500:中古車価格帯778万~1480万円
トヨタ自動車の新社長に就任した、佐藤恒治氏は、レクサスLCのチーフエンジニアを務めた。
メルセデスベンツやBMWがラグジュアリーメーカーとして、万人に認められているのは、メルセデスならSL、BMWなら8シリーズといった、販売台数が見込めない、効率を重視すれば無駄ともいえる存在のラグジュアリークーペやカブリオレをラインナップしているからだ、と言われてきた。
2005年8月のレクサス日本開業以来、レクサスはLFAというスーパースポーツを発売したものの、ブランドイメージがなかなか向上しなかったのだが、2017年3月に見事に変わった。ラグジュアリークーペのLCがデビューしたからである。
もちろん、SUVのラインナップの充実ということもあるが、これほどレクサスのブランドイメージが上がるとは予想できなかった。
LCの素晴らしさは、トヨタが作ったと思えないほど、突き抜けたデザインで度肝を抜かれた人も多いハズだ。また10速ATとともに採用されたスポーツエンジン、2UR-GSE型5L、V8を搭載したことも人気に拍車をかけた。
477ps/55.1kgmを発生する2GR-GSE型5L、V8エンジンは、アクセルを強く踏み込んで加速していくと、まさに咆哮と呼ぶにふさわしいエキゾーストノートを奏でるが、その時代を捨て去ったかのような潔さが心地よいのだ。
2000代、ドイツ勢はこぞって、V10、V8を捨てて燃費重視のダウンサイジングターボ時代に入った。当時、ドイツ製のハイブリッドはほんの少し。高級車なのに、しょぼい直4ターボの苦しそうに回るエンジンフィールに、ガタイはデカいのに、なにもここまでダウンサイジングしなくていいだろうと思ったことが多々あった。
そうした時代に逆行し、今も生き残っているのが、まごうことなきレクサスなのである。最近ではIS500Fスポーツに同じ5Lエンジンを搭載して、アッという目にローンチエディションが売れてしまうほどの人気である。
とはいえ、新車価格は1300万円オーバーだからそう簡単には買えない。となると狙うは中古車。初期の2017年式のSパッケージで778万円から、2021年式の1480万円という価格帯だ。同じエンジンを積む、RC FやGS F、ISF500Fスポーツという選択肢もあるが、これほどのオーラを持っているクルマはそうそうないのでLC500をおススメした。
■レクサスIS F:中古車価格帯252万~489万円
R35GT-Rとほぼ同時期に発売されたレクサスのスポーツセダン、IS F。5L、V8エンジンは423psを発生し、8速ATを介して後輪を駆動する。
IS Fは矢口幸彦チーフエンジニアが開発時、「一度乗ると降りたくなくなるクルマ、ずっと走っていたいクルマ」と言っていた。4ドアセダンの初代ISをベースに、Fのルーツとなる富士スピードウェイをメインに徹底的に走りこんで、エンジンサウンドや加速フィールなど感性品質までこだわっているスポーツセダンである。
IS Fに搭載されているパワートレインは新開発の5L、V8NAエンジン。筒内直接噴射とポート噴射を併用するD-4Sや電動連続可変バブルタイミング(VVT-iE)などの先進技術を採用し、423ps/51.5kgmを発生。
自然吸気エンジンならではのレスポンスのよさや高回転まで一気に伸びる加速フィールが特徴だ。組み合わせられるトランスミッションは2ペダルATではないが、滑らかな変速フィールの8速スポーツダイレクトシフト(AT)を採用。
V8を収めるために盛り上がったフロントボンネットや19インチが収まる前後のブリスターフェンダーは、W124時代のベンツ500Eを思わせるもので、後にも先にもこんなグラマラスなボディは出てこないだろう。
もちろん、その大パワーを路面に伝えるために、スプリングやダンパー、スタビライザーなどを専用チューニングし、サーキット走行も可能な運動性能を備えている。
現在、レクサスIS Fの中古車価格帯は252万~489万円と、それほど高騰していない。狙い目は400万円以上の2012年式以降となる。特別な弱点はないが、年式的に各種の消耗部品は交換サイクルを迎えている。そのため前オーナーが部品交換を済ませている個体を探したい。
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