いよいよ夏である。屋内に籠もるのもいいが、どうせだったらオープンカーで空と風を思い切り楽しむのも一興。
とは言え、こうも暑いとさすがに日中のドライブなどは厳しいものがあるし、そういう意味では普段遣いにはオープンは正直厳しいかもしれない。だが朝・夜といった時間帯や、涼しい方面でのドライブなどには、クローズドモデルでは得難い愉しみ、魅力がオープンにはある。
オープンカーが下火となってしまって久しいが、逆に言えば狙い目とも言える。250万円以下で購入可能な中古オープン5台をピックアップしてみた。
※本稿は2019年5月のものです
文:伊達軍曹/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年6月26日号
■今最も“熱い”のはアルファロメオ スパイダー!! ロードスターも外せない!!
「中古オープンカー」とひと口に言っても、たとえば4000万円も用意すればアヴェンタドール ロードスターですら狙える。
だが4000万円のクルマなんてのは99%の人には無縁の話であり、もちろん筆者にとっても完全無縁だ。それゆえ、ここでは「250万円以下で買えそうな中古オープンカー」のみを対象に物事を考えてみたい。
そして考えた結果、今最もアツいのは最終型アルファロメオ スパイダーであるとの結論になった。
●アルファロメオ スパイダー
アルファとGMが提携していた時代に開発されたクルマゆえ、エンジンの下半分はGM製であり、シャシーもハッキリ言って重い。キビキビ軽快に走るタイプのクルマではない。
だが、それが何だというのだ? オープンカーにとって大切なのは、まぁ人それぞれお考えはあるだろうが、筆者は「華やかであること」だと考える。
ルーフを降ろして走れば、仮にそこが駅前のしょぼい「●●銀座通り」であっても、なぜかビバリーヒルズ的な一陣の風が吹いてしまう。そんなオープンカーこそが本物のオープンカーであると、筆者は考える。
であるならばコレしかない。コレに乗れば、誰もが花形満になれる(古い)。もしも世代的に花形満がわからなければ、花沢類だと思ってほしい(それも古い)。
輸入車はあまり好きではないというのなら、次善の策はNDこと現行型のマツダ ロードスターだ。
●マツダ 現行型ロードスター
車両価格で160万円前後も見ておけば、まずまず低走行で好条件な一台が見つかる。
ロードスターの場合、「華やかさ」に関してはアルファ スパイダーに一歩遅れを取っている感もある。
だがこちらにも必要充分な華やかさはあり、そもそも走りはアルファスパイダーの推定100倍は良好。ニッポンの全国民におすすめできる中古車的選択肢である。
3番目におすすめしたいのは、いちおう4人乗れるシトロエン DS3カブリオ。
●シトロエン DS3カブリオ
純粋なクルマとしてのデキは、筆者が思うに後述の先代ミニコンバーチブルよりも上。
オープンカーならではの優雅さと同時に、小気味よさや躍動感なども充分以上に感じられる4座オープンで、相場もまあまあお手頃。
難点は流通量がかなり少ないことだ。
シトロエンDS3カブリオとおおむね似たような立ち位置のクルマとして、先代ミニ コンバーチブルも大いにおすすめ。
●先代ミニ コンバーチブル
クルマとしてのデキは、正直2016年3月デビューの現行型のほうが推定10倍はイイ。ボディ剛性が段違いなのだ。
だがオープンカーに、それも中古オープンカーに、そこまでのボディ剛性を求めてどうするつもりなんだ? 中古のオープンカーとは、目を三角にしてかっ飛ばすクルマではない。
気持ちだけはとりあえず優雅に、初夏の休日や夏の夕方、あるいは紅葉の秋などをユルユルと走ることで「人生を楽しむ」のが本来の使い方であると、筆者は思っている。
この考えにご賛同いただける人には、車両140万円ほどでナイスな一台が探せる先代ミニコンバーチブルは素敵な選択となろう。
2ケタ万円で探したい人には、NAこと初代マツダロードスターが最高の選択となるだろう。
●マツダ 初代ロードスター
このクルマについては、今さらベストカー読者諸兄に対して説明は不要かと。
筆者も90万円ぐらいで買った個体に乗っていたが、最高である。「クルマのすべて」とでも言うべきものが、そこにある。
難点として近頃は人気のため相場がかなり上がってしまったというのがあるわけだが、まぁ買えない値段になったわけではない。「死ぬまでに一度は乗ってほしい!」と本気で思える超絶名車だ。
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