中古車には新車と同じように『値引き』があるのか?

中古車には新車と同じように『値引き』があるのか?

 中古車選びは、新車購入とは違い、よくわからない点も多いもの。新車購入で最も気になるポイントのひとつ『値引き』は、中古車にあるのか?

 中古車事情に詳しい自動車ライターの萩原文博氏に聞いた。

文/写真:ベストカー編集部
ベストカー2017年6月10日号


中古車は値引き『しない』のではなく『禁止』!? その理由は?

 まず、最初の質問。「中古車購入時でも新車を買う時のような値引きがあるのか?」について萩原氏に聞くと、意外な答えが返ってきた。

 「まず大前提として、自動車公正取引協議会の規定で値引き表示をしてはいけないということになっています」

 中古車は品質劣化、車検残や自動車税の減少などによって経済価値が下落し、時間の経過とともに商品の同一性が失われていく商品。

 同一でない商品の価格を、比較対象価格に用いるのは、値引き表示するのも含めて、消費者に誤認を与えるので不当表示になってしまうのだ。

 「そもそも、中古車の価格は根拠のない金額なんですよね。査定額とかはありますが、それもオークションの人気で変わってしまいます」

 「新車は車両本体価格があるので、その定価からこれだけ値引きします、という話ができますが、中古車に定価はありません」

 定価のない中古車は値引き表示もダメだし、値引きして売るのもNGとのこと。

 やってはいけないことなので、「値引きをする中古車店では買わないほうがいいですよ」と萩原氏は語る。

中古車は『買い時』次第で価格が変わる!!

 もうひとつ、「中古車の買い時はいつなのか?」も気になるところだ。前出の萩原氏は「中古車は基本的に2~3月に買うのはできるだけ避けたい」と言う。

 なぜ、2〜3月に中古車を買うのは避けるべきなのか?

「中古車が売れるのは一番が3月で、その次が2月。たくさんの人が中古車をほしがる需要期なので、相場が上がりやすいからです」

 2~3月にどうしても中古車を買う必要がある人は別だが、そうでなければこの需要期を避けて買ったほうが、割安な金額で、同じような条件の中古車を買えるというわけだ。では、最も得に買える時期はいつか?

 「買い時は、5月の連休明け、そして8月や11月といった需要期ではない時期。その時に希望に添う車があるか? という問題も中古車にはありますが、繁忙期よりも時間をかけてじっくり探せると思います」

 ちなみに、昔は「オープンカーは真冬の相場が安い」とよく言ったものだが、今は昔ほど季節による差は大きくないという。

【表】2016年の中古登録車販売台数。最も台数が多いのは、唯一40万台超の3月。次いで2月も多い。いっぽう30万台を下回ったのは1月、5月、8月、11月となっている
【表】2016年の中古登録車販売台数。最も台数が多いのは、唯一40万台超の3月。次いで2月も多い。いっぽう30万台を下回ったのは1月、5月、8月、11月となっている

 まとめると……

・中古車の値引きは『してはいけない』行為なので、基本的には『存在しない』。もし、値引きをしている中古車店があっても買うべきではない

・中古車を買うなら、2〜3月は避けるべし。5月の連休明け、8月、11月を筆頭とした需要の少ない時期が割安に買える狙い目

 上記の2つが大きなポイントだ。中古車は同じ車種であっても、まったく同じ条件の車は存在しない“一品物”。自分の好みにあった中古車との出会いは“一期一会”だ。

 買い得な時期も踏まえ、細かい部分には目をつぶり、『優先順位の高い条件に当てはまったらOK』くらいの姿勢で決断することも、よい中古車に出会える確率を高める方法なのだ。

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