とさでん保有の路面電車は齢70年以上の古参勢が大活躍!!
『とさでん交通』は2014年10月1日に土佐電気鉄道・高知県交通・土佐電ドリームサービスの3社が経営統合して誕生した企業である。それまで土佐電気鉄道が運用していたバスや路面電車などは同社に引き継がれた。路面電車やバスもそれに合わせてほとんどが再塗装されている。この中で土佐電気鉄道の終焉とともに役目を終えた路面電車がいくつか存在したが、同時に大半の車両が『とさでん』に引き継がれている。
現在『とさでん』が保有する車両の中でも特に古老となるのが200形電車だ。1950年に製造され、現在でも複数が現役である。元々は非冷房車だったが、1980年や2010年代に冷房改造されたが、現在でも非冷房車も活躍しており、特に夏季は「申し訳ございません この車両は冷房車両ではありません」という文言が車体各所に掲示されている。一方の冷房車は架装された年にもよるが、家庭用エアコンが取り付けられている車両もあり、家庭用と同じ室外機が屋根に鎮座しているのが特徴的だ。
他にも1957年より製造された600形など多数が現役で『とさでん』へ車両継承後、コーポレートカラーを塗装した第一号車として現在も活躍中である。
また、年式を問わず一部の車内には「自由にご利用下さい」と書かれた傘立てがあり、中には傘が入っている。これは全国の一部の駅などで見られる「善意の傘」「友愛の傘」などのように自由に借りて次回乗車の際に返却するシステムである。傘については料金は不要。電停は屋根のないところも多いため、このような傘に助けられた利用者も多いという。
なんで謝っているの!?行き先がユニークなサボとはりまや交差点の有名な撮影ポイント
『とさでん』では、土佐電気鉄道時代からの名残で一部の行き先にサボ(行先標)を掲出しており、「いの」「朝倉 高知大学前」などいくつか存在するが、その中でもユニークなのが「ごめん」という文字。なぜごめんと謝っているのか。その答えは「後免町」行きの電車なのでそのようなサボが掲出されているのだ。夏場でも先述した冷房が装備されていない200形電車もこの路線に投入されるため、「二重に謝っている」「謝りすぎ?」との話題に上ったことも。「いの」「ごめん」とそれぞれはりまや橋から片道40分前後で、高知県内の様々な景色を堪能することができる。
そして路面電車が交差するはりまや交差点はその造りが圧巻である。他の都市ではあまり見られない交差点の各方向に線路が張り巡らされており、「ダイヤモンドクロッシング」と呼ばれている。筆者は撮影が叶わなかったが、条件が揃えば路面電車3両が交差点に進入し、それぞれの方向へ走行する「トリプルクロス」が見られるのである。これは基本的に平日の午前8時12分頃に見ることができるが、交通状況次第なので見ることができた方は非常に幸運の持ち主なのである。
【画像ギャラリー】カーブを曲がると電車が正面からやってくる‼ 高知を走る『とさでん』路面電車とのすれ違いは超スリリング!車齢70年のベテラン電車も多数が現役!!(10枚)画像ギャラリー
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