ナンバープレートの地名の横にある3桁の数字。その1桁目が「5」か「3」は、車の大きさをはかる“物差し”だ。
でも、「3ナンバー車は5ナンバー車より税金が高い」というのも今は昔。現在ではどちらも税金は変わらず、かつて5ナンバーだった車が大きくなり、3ナンバー化した例は多い。
2000代以降ではシビックやインプレッサもそのひとつで、直近ではスイフトスポーツ、将来的にはカローラにまで3ナンバー化の噂がある。
脱5ナンバーは必然なのか? それとも、今でも5ナンバーにメリットはあるのか? 過去の例から探る。
文:渡辺陽一郎
写真:編集部、HONDA
現在でも国内販売の約半数が『5ナンバー車』
日本の使用環境に最適な車は、今でも全長が4.7m、全幅は1.7m以下に収まる5ナンバー車だ。
理由の筆頭は運転のしやすさにある。今は表通りの道幅は広がったが、古い住宅街には狭い道が多い。買い物や飲食に出かけた時に利用する駐車場も、5ナンバーサイズの全幅を基準に設計されている施設が目立つ。
そして、5ナンバー車は小回りの利きも良い。一部のミニバンを除くと、大半の車種の最小回転半径が5.3m以内に収まり、右折車線からのUターンもしやすい。駐車時で切り返しをする回数も少ない。
また、5ナンバー車であれば、左側のフロントピラー(柱)が適度に視野に入り、ボンネットの見えない車でも車幅が分かりやすい。
最近はミラー・トゥ・ミラー(ドアミラーの左右端で測った全幅)を小さく抑えた3ナンバー車もあるが、運転すると5ナンバー車に比べて車幅感覚が悪化する。左側のピラーが視野に収まりにくいためだ。
観点の違う話としては、メーカーの車両開発の姿勢も、5ナンバー車と3ナンバー車では異なる。5ナンバー車はほぼ例外なく国内市場を重視しており、海外で売られる5ドアハッチバックのコンパクトカーでも、国内の販売比率が40〜50%に達する。そのために日本のユーザーの使い方や好みに合った車両開発を行う。
フィットやスイフトはグローバルカーだが、開発段階では日本のユーザーも見据えている。
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