トヨタが「2025年頃までにラインアップ全車種を電動車(EV、PHV、FCV、HVのいずれか)もしくは電動車グレードを設定」と発表したこともあり、今後ますますクルマの電動化は進んでいくでしょう。
もちろんハイブリッド車にはハイブリッド車なりの楽しさがあるし、EVにはEVの、 PHVにはPHVの楽しさもあります。そして当然のように純ガソリン車には純ガソリン車だけが持つ楽しさがあるわけです。
しかし昨今の世の中の雰囲気を見ると、近い将来いずれ「まだ純ガソリン車に乗ってるの?」と、やや責めるような目で見られる日が来ることになるでしょう。そんな未来が来る前に、今だからこそ乗っておきたいクルマがあるはず!
そうした思いに駆られて、自動車ジャーナリスト鈴木直也氏に「今だからこそ乗っておきたい純ガソリン車」を8車種選んでいただきました!
文:鈴木直也
■当分ガソリン車は主役、それでも「その時」はやってくる
テクノロジーは直線的にではなく階段状に進化する。
最近の例でいうと、フィルムカメラがデジカメに駆逐されたケースや、ネット配信の普及でCD/DVDがめっきり売れなくなったことがその典型パターン。リアルタイムではじわじわっとした変化に感じていたけど、あとから思い返すと「ある時期からパッタリ変わったよねー」という印象。最後の最後は雪崩をうったように激変する。
同じことが、たぶん確実にクルマでも起きる。
もちろん、「内燃機関はすぐEVに取って替わられる」とか言うつもりはない。
今後も10年20年というスケールで内燃機関がモビリティの主力を担うことは確実で、最近よく聞く「EVに出遅れた日本はヤバイ!」的な発言は、よくわかっていないか炎上狙いかのどっちか。まともに相手をする価値はない。
ただ、より長期的なトレンドで見ると、内燃機関がその役割を終えてゆくのは必然。いつかは必ず「最近エンジン付きのクルマがめっきり減ったよねー」と懐かしむ時代がやってくる。
だから、いまこそピュアな内燃機関を楽しんでおけ、というのがこの原稿のテーマ。進化の流れに逆らって絶滅危惧種を愛でるのも、いまだから許される最後のお楽しみ、というわけだ。
■日産GT-R 1023万840円〜1870万200円
(本企画の)そういう趣旨でいえば、まず挙がるのはやっぱり日産R35GT-Rが筆頭だろう。パフォーマンスでは未だにトップレベルだが、すでにデビューから10年を経ているため、ちょっと古さを感じさせるのも逆にイイ。
V6ツインターボのVR38DETTは、いまどき珍しく直噴ですらないピュアなパワー志向。旧態化しつつあるのは否めないが、電動化の対極にいる荒々しいモンスター感が味わえるのも、この世代が最後という気がする。
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