■日産フェアレディZ 390万7440円〜640万1160円
日産ではフェアレディZにも、同じノスタルジックな香りがある。現行Z34型も今年で10年選手。心臓部のVQ37VHR型はGT-Rと違って可変バルタイ付きのNAで、7000rpmで336psを発揮する高回転型だ。
よく伸びてパワフルなエンジンなんだけど、これまたノイズやサウンドがけっこうワイルド。高回転型NAでしかも大排気量というのは、スポーツカーエンジンとしてまさに古典なんだけど、エンジンフィールが荒削りな点もまさに古典的なのだ。
とはいえ、こんな本格的大排気量スポーツカーがエントリー400万円以下で買えるというのは、こりゃもう大バーゲン。コスパ最高のスポーツカーだと思う。
■マツダロードスター 249万4800円〜374万7600円
おなじく、古典的スポーツカーとしてはおなじみNDロードスターがあるが、コイツのエンジン(P5‐VP[RS] 型)はパワーよりバランスと洗練を感じさせるキャラクターだ。
アクセラ用をベースにロードスター用エンジンを開発するにあたって、車体側から示されたのはパワーよりも優れたトルク特性の要求。軽量なボディをダイレクトなトルク感で気持ちよく駆動する。そんなコンセプトで造られている。
トルク特性を造り込むといえば、電動モーターならプログラム次第でどうにもなるわけだが、果たしてそれが優れた内燃機関と同じようにドライバーに「心地よい」と感じてもらえるか? 将来的にはこの辺が興味深いテーマになると思う。
■ホンダシビックタイプR 450万360円
最近の国産車には「スポーツモデル専用高性能エンジン」というのがめっきり減ったが、シビックタイプR用のK20C型はひさびさに登場した本格派といっていい。320ps/40.8kgmというスペックもさることながら、FFニュル最速をテーマとしているだけに、トルク特性がすさまじく良好なのが特徴だ。
数値的には前モデルと大差ないが、ワインディングを攻めたときのリアルなトルク感は2割くらいうわ手。多少シフトポイントをミスっても、おかまいなしにグイグイ加速できるイメージ。ベスト2L直噴ターボといっても過言ではない。
■スズキスイフトスポーツ 183万6000円〜205万920円
スイフトスポーツも同じくFFターボのスポーツモデルだが、こちらは価格もふくめいろんな面でお手軽バージョンなのが美点。レブリミッターに当たるのが早く、じゃっかん頭打ちが早いのが惜しいが、200万円以下でこのパフォーマンスが手に入るんだから文句を云う方が無理筋だ。
多彩な電動化モデルとともに、こういうバリエーションも用意されているのがスイフトの素晴らしいところ。スポーツエンジン生き残りの、ひとつのモデルケースになり得ると思う。
■スバルWRX STI 386万6400円〜406万800円
FA/FB系の新しいエンジンシリーズが主力となったスバルで、かたくなにEJ20を使い続けているのがWRX STI。
開発時点は古いが、そのぶん頑丈で究極の高性能化にはこっちが有利という説があるが、あるいは一理あるのかもしれない。
こちらも、GT-R同様にいまだ直噴ですらないのだが、シャープな吹き上がりやドップエンドまで衰えないトルク感など、感覚的なスポーツ度では明らかにFA20をしのぐ。6MT仕様が選べるのはEJ20のみというのも頷ける設定だ。
EJ系がいつまで存続するかは不明だが、もっとも硬派のスバルファン向けとして、ぜひ乗っておきたいエンジンのひとつではある。
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