街乗りからアウトドアまで。ファミリーユースにも使え、荷物もしっかり積める、そんなマルチな使い方に応えるのが、ミドルクラスのSUVだ。トヨタ、日産、マツダ、スバル、三菱と各社のモデルが揃うなか、2018年にはフォレスターの新型、CR-Vの国内再導入も控えるなど、ますます活況の激戦区。その最新モデルの実力は、人気通りなのか!?
文:松田秀士、ベストカーWeb編集部
写真:編集部
ベストカー 2018年5月10日号
“人気”ではCX-5がトップ
今回はボディ全長4500mm以上4800mm未満のモデルを、ミドルSUVとした。国産車で、この条件に合致するエントリーモデルを、2018年3月の販売台数順に並べたものが以下の車種だ。
・マツダ CX-5/9289台
・日産 エクストレイル/8220台
・トヨタ ハリアー/6570台
・レクサス NX/2312台
・スバル フォレスター/2174台
・三菱 アウトランダー PHEV/665台
・三菱 アウトランダー/343台
さて、注目のランキングは、この販売台数通り上位にランクインした車があれば、販売順を大きく上回った“実力派”も登場する結果となった。
注目のトップ2は対照的なモデルに
■ミドルSUV(全長4500-4800mm未満)ランキング
1位:マツダ CX-5
2位:レクサス NX
3位:三菱 アウトランダーPHEV
4位:トヨタ ハリアー
5位:日産 エクストレイル
6位:スバル フォレスター(※現行型)
7位:三菱 アウトランダー(ガソリン車)
第2世代となり大きく進化したCX-5を1位にしたのは、コストパフォーマンス、静粛性を含めて総合力で高得点。そしてディーゼルエンジンを採用していること。
ディーゼルは、経済性を含めた環境性能はもちろんのこと、日本の国全体として原油の総輸入量削減を手助けする。日本は現在軽油が余っていて輸出をするほど。つまりディーゼルエンジンが増えて、ガソリン車が減れば原油の総輸入量を減らすことができるのだ。
さらにフォルクスワーゲンも表明しているように、将来的にだが再生可能燃料で走らせることができる。つまり、原油に頼らなくてもエネルギーを手に入れることができる。この部分はEVと共通しています。
レクサス NXを2位にしたのは、まずデザインと高級感。しかもハイブリッドモデルがラインアップされている。ラグジュアリーが好きだけど燃費コストは抑えたい、というケチなお金持ちの人には最適です。
販売では苦戦する実力派が3位に
アウトランダーPHEVは多人数乗車が可能で、100V AC電源1500Wによってアウトドアの楽しみが広がり、マルチユースが可能なSUVといえばこの車しかありません。
ご近所の買い物くらいならガソリン使わずEVで走りきる。ま、充電設備のある住まいじゃないと生かしきれませんが。
ハリアーを4位にしたのはハイブリッド、ガソリン、ガソリンターボモデルと、トヨタらしくマルチな車種選びができるから。
燃費優先か? 走り優先か? それとも普通のでいいです、って選択のわがままを聞いてくれるトヨタらしい愛を感じる。
日産 エクストレイル。実はハリアーを5位にしてエクストレイルを4位にしようか迷った。理由はエクストレイルハイブリッドの加速性能がよく、プロパイロットを装備しているから。しかもアウトドアユースにも優れる。アウトランダー同様に遠出派に向いてます。
フォレスターは、オフロード性能を含めていい車だが、もうすぐフルモデルチェンジを迎える(2018年6月登場予定)。その意味では、今が手に入れ頃の価格かも(現行型はオーダーストップ済みのため現在は在庫販売のみ)?
このクラスのSUVは見栄を取るか? 実を取るか? で悩むところ。見栄の輸入車よりも国産車にしてよかったという実力車ばかり。
しっかり悩んで購入していただきたい。
【文・評価/松田秀士】
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