最近では軽自動車でも「ターボ付き」のクルマをよく見るようになった。しかし軽自動車のターボは、一見するとどこもそんなに変わらないのでは? と考える人も多いと思う。そこで今回は660cc軽ターボに差はあるのかについて考えていく。
※本稿は2024年9月のものです
文:国沢光宏/写真:ホンダ、スズキ、ダイハツ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年10月26日号
■馬力が同じなんだから結局同じ……と思うじゃん?
自動車のターボエンジンは4つ。自主規制によりすべて64psということもあり、皆さん同じようなポテンシャルだと思っているようだ。しかし乗ると案外キャラが違う。
一番「いいね!」と思えるのがホンダ。F1のエンジンをやったような人も開発チームにいたりするから当然か。最大トルク104Nm(10.6kgm)を、驚くほど低い2600回転で発生させている。絶対的なトルクもさることながら、レスポンスだっていい。
スズキと日産&三菱のエンジンはスズキが98Nm(10.0kgm)の3000回転、日産&三菱が100Nm(10.2kgm)の2400〜4000回転でスペックは近い。
ただ、乗るとスズキはアクセル踏んだ時に3.1psという微妙なパワーながらモーターアシストするため(高回転域ではオルタネーターを止めるため、その分がパワーになる)、けっこうレスポンスいい。ホンダに勝るとも劣らないほど。
ルノー設計の3気筒をベースにしている日産&三菱のユニットはターボラグが大きい。
ダイハツは100Nm(10.2kgm)ながら3600回転というホンダより1000回転も高いところで最大トルクを出す。乗った感じはスズキと日産の中間くらいの雰囲気。
4社のターボエンジン、アクセル全開にしたら大差ないパワーフィールになるけれど、アクセル開度にして半分くらいだと個性が出ます。ただ多少のトルク特性は車重にオーバーライドされてしまう。軽自動車の場合、車重50kg違ったら加速がけっこう違ってくる。
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コメント
コメントの使い方ロングストローク、高効率バルブの採用で低回転からトルクを発生させるホンダの軽自動車向けエンジンは良いですね。
昔と違って性能曲線、ギヤのバンドがカタログに掲載されることは無いけどホンダエンジンの特性は乗りやすく、軽自動車での性能が良すぎるのでホンダはNシリーズだけでニーズが満たせてしまうのもジレンマ。